上司として、部下として、相手に一目置かれるようなビジネス会話を考える3月の総務特集。「上司から厳しいスケジュールで仕事を任されてしまった……」「自分のせいじゃないのに怒られた……」そんなよくあるケースで使えるビジネス会話のポイントを紹介しよう。
上司として、部下として、相手に一目置かれるようなビジネス会話を考える2009年3月の総務特集。初回では、どんな立場の時にでも使えるオールマイティな会話術を紹介した。今回は、年下の部下の立場から、年上の上司への接し方を、オフィスで実際によくあるシチュエーションに沿って考えてみよう。
手いっぱいの仕事を抱えている状況で、突然上司に「○○くん、明日のA社への提案だけど、君が企画書をまとめておいてくれるかな?」と言われてしまった。今抱えている仕事量から考えて、明日までに企画書を仕上げるのはかなり厳しそう……。
「仕事を任されるのはいいけれど、よりによってこんなタイミングで……」という今回のようなケース。毎回どう受け答えすればいいのか悩んでいるビジネスパーソンも多いのではないだろうか。
「今抱えている仕事で手いっぱいで……」と答えるだけでは、上司は簡単には納得してくれないだろう。とは言え、ストレートに「すみません、できません」とだけ伝えるのも、いかにも上司の心証を悪くしそう。少しでも前向きな姿勢を見せようと、「はい、できる限りやってみます!」と答えたところ、「できる限りってのはなんだ? できないならできないと言ってくれなきゃ!」と逆に怒られてしまった――なんて話も聞く。
ビジネスパーソン向けにコミュニケーション研修などを行っているハピネックスの三塚浩二氏(人材サービス部課長)は、「『がんばります』『やってみます』といった言葉で、できもしないのに軽く引き受けてしまうのは最もよくない」と話す。また、「できる限り○○したいと思います」といった言葉からは、「できなくても責任は持てませんけれど……」という逃げの姿勢が感じられる。
同じく研修などを請け負っているビジネスプラスサポートの池田稔子氏によれば、「やはりできるならできる、できないならできないことをはっきりと伝える必要がある」という。ただし、単にできないことを伝えるだけでは「なぜできないんだ?」と上司にツッコまれてしまうのは明らか。
そこでまずは、「これこれこういう理由があるので、その時間までにここまでならできます」と伝える。こうして上司に詳しく状況を把握してもらう。「文末を、マイナスの『できません』ではなく、プラスの『できます』とすることもポイントの1つ」(池田氏)
その上で、「例えば、今○○さんに頼まれているこの業務を後回しにすれば、企画書の方は間に合います。どちらを優先するべきでしょうか?」と上司にお伺いを立てる。重要な業務の優先度は自分で判断しないのもポイントだ。
上司に「なぜできないんだ?」と聞かれた際に、「こういう理由でできません……」で報告を終えてしまう人は多い。しかし実際には、上司が本当に知りたいのは「なぜできないか?」ではなく「どうすればできるのか?」のはず。次善の策などを自分から提案することで、「なぜできないんだ……」ではなく「こいつ、なかなかできるな」と上司に思わせることができるのだ。
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