ネット上にあるクラウドストレージを、あたかも外付けHDDであるかのように使えるZumo Driveが一般公開された。クラウド上の音楽を直接再生できるiPhoneアプリ「Supersize Me」も提供開始。
Dropboxと比肩し得るクラウド(オンライン)ストレージサービスZumoDriveがパブリックβに移行した。これまで必要だったアクセスコードなしに、登録ができるようになっている。
ZumoDriveは、クラウド上のストレージをPC上のHDDの1つとしてマウントし、あたかも外付けHDDのようにファイルを保存したり、読み書きしたりできるサービスだ。1Gバイトまでは無償で利用でき、最大500Gバイトの容量が有償で提供されている。ネットワークにつながっていなくても、ファイルをキャッシュしておくことでオフラインでも読み書きが可能になる機能を備えている(詳細記事)。
利用には最初にローカルアプリケーションのインストールが必要で、WindowsおよびMac OSに対応している。
今回パブリックβに移行するとともに、iPhoneアプリ「Supersize Me」も公開された。これはiPhoneから、ZumoDriveに置いたファイルに、無線LANや3Gネットワーク経由でアクセスできるというもの。WordやExcel、PowerPoint、PDFなどのファイルを閲覧できる(ちなみにPDFなどは日本語表示も問題ないが、一部のテキストファイルは文字化けしてしまった)。
iPhoneにファイルを転送するアプリケーションは多々あるが、ZumoDriveの場合、PC側でドライブにファイルをコピーしておくだけでiPhoneから閲覧できる。これは手軽だ。さらにPC版と同様、一度開いたファイルをキャッシュしておくことも可能。キャッシュされるとWiFiや3Gにつながっていない場所でもファイルを閲覧できるだけでなく、ダウンロードも必要ないため高速表示される。ちなみにキャッシュ容量は「設定」の各アプリケーションの中で設定でき、標準では各150Mバイトだ。
また、音楽ファイルをZumoDrive上に置いておくことで、その楽曲をそのままiPhoneで聞くことができるようになる(対応ファイルはMP3とAAC)。つまり、iPhoneのメモリを圧迫することなく、例えば500Gバイトの音楽ライブラリを持ち歩く(アクセスできる)ようになるわけだ。8GバイトのiPhoneを使っているユーザーにとっても朗報だろう。ただしストリーミング再生となるため、キャッシュされていない音楽は必ずしもスムーズに再生されるわけではない。
Supersize Meは4.99ドルの有償アプリだが、期間限定で無償提供されている。
併せて、クローズドサービス時と比べて利用料も値下げされた。10Gバイトプランは月額2.99ドルと変わらないが、50Gバイトプランでは14.99ドルから11.99ドルへ、200Gバイトプランでは59.99ドルから37.99ドルへと、容量が増えるほどディスカウントされている。また500Gバイトプランが79.99ドルで新たに追加されている。
ライバルと言われるDropboxが、50Gバイトプランで月額9.99ドルなのに比べるとわずかに高いが、その差は縮まった。
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