大きな変化を伴う成長には「不快」がつきまとう3分で読める! 隣のヤツより成果を出す勉強術(1/2 ページ)

成長することとは、慣れ親しんだ場所から、新しい領域へと移り変わっていくことにほかなりません。その居心地のいい場所から、未知の世界に足を踏み入れることになるので、たいていある種の不快さ、気持ち悪さが生まれてくるものです。

» 2009年02月09日 12時00分 公開
[水野浩志,ITmedia]

 2008年末から2009年にかけて、ビジネスの世界は大きな転換期を迎えています。多くの企業が厳しい状況を迎え、変化や変革を求められています。

 そんな状況下で働いている私たちビジネスパーソンも、もう今まで通りのやり方や考え方を踏襲した仕事をしているだけでは許されなくなりました。会社とともに、自分自身も大きな変化を伴う成長が求められているのです。

 では、大きな変化を伴う成長をするためには、どういったスタンスで学べばいいのでしょうか。今回はこのことについて考えてみたいと思います。

変化を伴う成長に必要な学びのスタンス

 まだ、私が講師業を始める前ですから、もう10年近く前のことです。とあるセミナーに参加していたときに、同じグループにちょっと変わった人がいました。

 そのセミナーは発想力を鍛えるというテーマのもの。発想するにあたり、自分の仕事“以外”の要素を使って発想してみましょう、という指示がありました。そのときは確か、何かのスポーツを要素に発想することになったのですが、その人は、自分のビジネスに関係することを引き合いに出して考え始めたんですね。

 私、お節介なものですから「スポーツの要素で考えるって先生言ってましたよ」って声掛けたんです。そしたらその人、

 「いえ、私はこれでいいんです」

 と、一言。で、そのまま粛々と作業を進めていったんです。

 私も、食い下がるほどムキにはなりませんでしたので、そのときはそのままそうですか、と引き下がりました。しかしそのことは、今でも不思議と忘れられずに自分の記憶にとどまっています。

 それから10年経って講師業を始めてみると、ここまで強情じゃないにせよ、自分のやりたいようにやってみようとする人や、学ぶ内容を取捨選択する人に少なからず出会います。しかし、その人たちはその人なりに、前向きに学ぶことに取り組んでいるんですよね。

 しかし、そういった人たちを観察していると、どうも自分を成長させることについて勘違いをしているような気がします。それは何かというと、

  • 成長とは気持ちのいいもの

 という勘違いです。実は、成長とは気持ちのいいものではないのです。特に、自分自身を大きく変化させるほどの成長を行うためには、

  • 気持ちいいどころか、むしろ不快さが伴う

 ことの方が多いのです。それはなぜなのかを考えてみましょう。

なぜ変化を伴う成長には不快さが伴うのか

 成長することとは、慣れ親しんだ場所から、新しい領域へと移り変わっていくことにほかなりません。その居心地のいい場所から、未知の世界に足を踏み入れることになるので、たいていある種の不快さ、気持ち悪さが生まれてくるものです。本当の意味での成長を過去に体験している人間は、この不快さ、気持ち悪さを感じると、

 「ああ、自分は今、成長しようとしているんだ」

 と思い、さらにその気持ち悪さにたえて学び続けるのです。しかし、過去大きな変化を伴う成長をした経験のない人は、この不快さ、気持ち悪さを感じると、

 「ああ、この学びは、私にとって役に立つものではない」

 と決めつけてしまい、その学びを捨ててしまいます。そして気持ちのいい、居心地のいい学びばかりを求めて、それで安心してしまうのです。しかし、それでは本当の成長は得られません。

 もし、あなたが本当に成長したいのならば、ぜひ、

  • 学びで起きる不快さから逃げない

 で、そこをしっかり越えて成長していって下さい。

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