「ぶつかる」――「たぐる」小技その1先読み『アイデアパーソン入門』

「たぐる」の小技である「ぶつかる」。簡単に言うと「へえ」って思うことです。よくあることですが、そのままスルーしていませんでしたか? もったいない――。

» 2008年12月31日 08時30分 公開
[加藤昌治,ITmedia]

 辞書風に「ぶつかる」を定義してみると、こんな感じですね。

【ぶつかる】

 偶然に、自分が今まで知らなかった事象と出会うこと。キーワードは「open mind」。出会った情報素材に対して無用な好き嫌いを挟まず、まずは虚心坦懐に受け入れることが必要。「へえ」という感嘆符とともに用いられることも多い。


 「へえ」って思うこと、それが「ぶつかる」。よくあることだと思います。でもそのままスルーしていませんでしたか? もったいない。視界に入っているけれども認識していないことだらけです、世の中は。

 「へえ」と一瞬でも感じた、ということは、何かがあなたの感性に引っかかった、ということですよね? それすなわち、アイデアに結びつく可能性がとっても高い既存の要素なんだと思いますよ。そのまま放置せずに、サクッと拾い上げてあげましょう。

 気になった言葉や記事、商品名などを手元の紙にメモをする。携帯電話写真を撮って保存する、あるいはデスクのパソコンへメールする。すでに目の前にパソコンがあったのならば、1分だけ時間を割いて検索してしまう。とりあえず検索だけかけておいて、結果そのものは後で見る手だってあるでしょう?

 せめて口の中、の中で「○○○○」と唱えるくらいはやってみませんか。損しないと思いますよ。

 いつだって好奇心はアイデアパーソンの味方です。それまで一切関心のなかったお洒落アイテムに目覚めたりするかもしれない。それはあなたにとって、プロフェッショナルとしての手口、引き出しが1つずつ増え始めていることにほかなりません。そう、チャンスを逃すな! なのです。

編集部から

 今回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? 普段の生活でも「ぶつかる」ことが本当は多いのかもしれません。でも忙しさを理由に見て見ぬふりをしているのかも……。でも、アイデアのいいところは今すぐできることです。いつも見過ごしてきた人だって、これからはいくらでも「ぶつかる」ことができます。ごにょごにょつぶやいてみることから始めたっていいんですよ。もしかしてそれが思わぬ「たぐる」にぶつかるかもしれないのですから。

 次回の先読み『アイデアパーソン入門』は「『思い出す』――『たぐる』小技その2」です。お楽しみに――。


著者紹介:加藤昌治(かとう・まさはる)

 大手広告会社勤務。1994年、大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ刊、2003年)、『アイデア会議』(大和書房刊、2006年刊)がある。


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