プロフェッショナル・アイデアパーソンにとっての「ヒット」とは?先読み『アイデアパーソン入門』

「すごいアイデアが浮かばない」「アイデア出しが苦手」「いつもすぐにアイデアが浮かばない」――そんな人にぴったりな『アイデアパーソン入門』。あの『考具』の著者・加藤昌治さんの新刊です。2009年1月に発売予定のこの新刊、Biz.IDで発売前に読んでみませんか。年末年始に10日連続で公開します。

» 2008年12月26日 07時00分 公開
[加藤昌治,ITmedia]
st_sho01.jpg 「アイデア出しが苦手」「アイデアが浮かばない」――そんな人にぴったりな『アイデアパーソン入門』。あの『考具』の著者・加藤昌治さんの新刊です。

 プロフェッショナル・アイデアパーソンにとっての「ヒット」とは?

 何をもって「ヒット」とするかは議論の分かれるところです。所属する組織によって定義されていることもあるでしょうし。駆け出しのアイデアパーソンにとっては、自分の出したアイデアが「なかなかいいね」と評価されるだけでもヒットじゃないでしょうか。自分の出したアイデアで他のメンバーを触発することができたなら、それもヒットだと思います。

 そして次に目指すのは自分のアイデアが採用されること。チームや会社の代表案になることですね。ちなみにわたし、自分の出したアイデアが初めてプレゼンテーションされる(提案物として採用される)ことになったときの感動と驚き、いまだに覚えてますし、そのときのプレゼン資料、大切に大切に持ってます。

 最終的には当然、実現まで持って行きたい。じゃないと仕事になりませんから。個人成績は社内でも上げられるかもしれませんが、プロフェッショナルだからこそ、実際の得点=チームの勝利に貢献したいじゃありませんか。


 そして、「打率」とはヒット/打席数。ヒット、に求める水準は徐々に高まっていくイメージです。ヒット数が増えるだけ、あなたの技術も向上していくはずです。

 プロフェッショナルとして大事なのは妙に“率”を意識しすぎないこと。打席数が少ないままに「オレは高打率だ」なんて自慢しても笑われます。プロとしてはある程度の数をこなして初めてプロフェッショナルとしてのお給料がもらえます。できるだけ数多くの打席に立ち、そして快音を響かせる。これがプロ。チームの主軸打者は試合を休みません。相対的な「率」という考え方が今一つ、という方なら絶対数である「安打数」を重視する手もありますね。

 また、ときには偶然の産物や相手のエラーに助けられての、結果としてのヒットもあるでしょう。それを否定はしませんが、あくまでもオマケです。“率のマジック”にはくれぐれもご用心ください。

『アイデアパーソン入門』誕生までに描いたメモ

編集部から

 第1回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? 単なるヒットだけではなく、ある程度の数をこなすこと、試合を休まないことが重要です。あのイチローも、打率よりもヒット数の積み重ねを大事にしているといいます。アイデアパーソンとしては、いい意味でアイデアのヒットを重ねられると良さそうですね。

 次回の先読み『アイデアパーソン入門』は「わがまま→思いやり」です。お楽しみに――。


著者紹介:加藤昌治(かとう・まさはる)

 大手広告会社勤務。1994年、大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ刊、2003年)、『アイデア会議』(大和書房刊、2006年刊)がある。


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