【基礎編】「書き疲れて字が雑」を防ぐ3つの技今から書く「キレイな字の年賀状」(3/3 ページ)

» 2008年12月18日 08時50分 公開
[豊島美幸ITmedia]
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最適な筆圧で快適に書き続ける

 もちろん「小指のみに力を入れ、ほかの指は以力を入れない」ようイメージしたからといって、ある程度は力を入れなければペンがぶれ、書く字もかえってバランスを崩してしまう。つまりある程度は指には力が入る。そしてある程度手に力が入ったまま、手全体で紙を上から押して筆圧をかけていく。この時最適な筆圧はどれくらいなのか。

自分に最適な筆圧を見つけるため、クルクルとらせんを書いてみた

 まず思いきり強く筆圧をかけて書く。次に思い切り弱い筆圧で書く。最後にそのちょうど中間の筆圧で書いてみる。この最後に書いた中間がちょうどいい筆圧だ。

 「あくまで感覚なので、自分で見つけるしかない」が、同じ紙に同じペンで筆圧を変えながらクルクルとらせんを書いてみよう。筆圧に変化の出やすい「とめ」「はね」などをしない“クルクルらせん”が感覚をつかみやすいのである。もちろんこの時も、「小指以外に力を入れない」意識は必要だ。

 筆者の場合、強くクルクル、弱くクルクル、を何度か繰り返したところ、少し力を抜いた筆圧にしてみると一番楽に書けた。「ちょうど中間かな、と思うよりもやや力を抜いた感覚」で落ち着いたのだった。

「紙ずらし」でベストポジションをキープ

 紙とペンの位置関係も、長時間キレイな字をキープするのには重要だ。

 筆者は横書きの時、右肩上がりに書くと疲れにくい。紙もあらかじめ左に傾けて書くクセがついている。こうして紙を傾けておくとペンを進めるのが楽なのだ。受講した中にも同じクセを持つ人がいた。

 しかしこれに慣れてしまうと、手首や肘も右上がりに曲げて書くクセがつき、字そのものが右上がりになってキレイな字から遠ざかる。斜めにならずまっすぐに字を書くにためには、やはり体の中心線(眉間からへその位置)または利き手の胸の中心線の延長線上に、紙の中心線がつながるよう、紙をまっすぐに置くのが基本だ。

 こうして紙と体の位置を保つと同時に机と体に縦の「握りこぶし」が入る正しい距離感も保ち、手首を使わず肘全体を使って上から下へ、左から右へと書き進めていくのだ。

 ところが、せっかくこのようにキレイな字を書きやすくするための“ベストポジション”から書き始めても、書き進めて改行を繰り返すうちに、どうしても書き始めのペンと紙の位置関係が徐々にずれていく。字の大きさや文字間隔にもよるが、10行も書けば行幅何センチかは書き位置が進んでいるだろう。こんな時はどうしたらいいのだろう。

 高宮先生の答えはこう。「自分の体や手の位置をずらしていくのではなく、紙を上へ、右へと徐々に動かして書き進める」。つまり、紙だけをずらしていくことで一度定まったベストポジションを保ち、どれだけ長く書いても字が崩れにくい環境を整えようといううわけである。

 筆者の場合、実際の講座では2時間にわたり常に文字を書き続けていたが、気づくと紙に目を近づけて猫背になっており、机にお腹が当たっていた。さらに「紙ずらし」も忘れてしまいがちだった。ペンの持ち方だけでなく、やはり姿勢や「紙ずらし」も最初のうちは意識しておく必要があるかもしれない。


 “準備体操”を終えたら、次回の【本編】でメリハリ文字を作る黄金比率をマスターしよう。

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