リフレッシュだけに使える「1カ月休暇」――ノバレーゼ「働きやすい」を形に イマドキの福利厚生(2/2 ページ)

» 2008年11月19日 12時06分 公開
[SOS総務]
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3年ごとの「1カ月休暇」でリフレッシュと自分磨き

 さらに同社では、3年前から大型のリフレッシュ休暇制度も実施している。ブライダル関連の仕事は、スタイリッシュなイメージに反して心身ともにハード。そこで自分の時間を満喫する機会をプレゼントし、思い切りリリフレッシュしたり、感動体験をしてもらう意図がある。

 その内容は、入社3年以降、3年ごとになんと1カ月の休暇を取得できるというスケールの大きなものだ。純粋に休暇を取る制度なのでリポート提出などの条件はない。「心も体も元気でなければ、徹底したサービスは行えません。休みも取らずただただ働いていては、お客さまに安心感と親しみを感じてもらえる心からの笑顔は期待できません。いつも仕事に励む従業員への気遣いは重要。フレッシュ休暇は制度というより、当社の精神の表れですね」

 入社3年目は、仕事に慣れて新鮮さが感じられなくなったり、壁にぶつかって疲れ始めるサイクルともいわれる。またステップアップを考える時期でもあるだろう。そのタイミングで、自分をリセットする時間を持つのは、従業員と企業の双方にいい影響が期待できそうだ。

 1カ月もの休暇制度が実現できたのは、ノバレーゼのビジネススタイルにも関連がある。前述のように、ノバレーゼは1人の従業員が、1組のお客さまを一貫してサポートする。そこでリフレッシュ休暇を取る従業員は、事前に調整して、その間、お客さまを担当しないスケジュールを自ら組む。こうすれば、業務の引き継ぎは不要になるのだ。

 誰かが休暇を取ることで、ほかの人のフォローに回り作業が増えるといったこともない。これなら周囲に気兼ねなく、休みを取れるだろう。「せっかく作った制度ですから、使いやすいようにする工夫も必要ですね」

 従業員の多くは、長期休暇中に旅行したいと考えているようだ。先日、休暇を取った従業員は、海外へ出掛けてレジャーやグルメなどを思い切り楽しんだ。さらにブライダルプランナーの目で、一流ホテルのサービスや料理を見て勉強してきた。

 リフレッシュ休暇での体験は、仕事へのモチベーションを上げ、自分自身のブラッシュアップ効果もあったようだ。「大企業のような制度を整えると同時に、こういった当社ならではのエポック的な要素も、どんどん入れていきたいですね」

 今後も従業員が楽しく仕事ができるような制度がたくさん生まれてきそうだ。

リフレッシュ休暇を満喫した社員


 リフレッシュ休暇を取った入社7年目の女性社員は、日頃から海外へ行く際は人気のハネムーンスポットを目的地に選ぶことが多いという。今回、リフレッシュ休暇を活用して訪ねたのはドバイ。話題の7星ホテルの見学やレジャー、グルメなどなど、短期間の旅では味わえないさまざまな体験を満喫した。異文化の見聞は、貴重な感動体験となり、休暇によるリフレッシュとモチベーションの高まりを自覚したという。


『月刊総務』2007年7月号

「社員満足度、企業イメージアップのために今、求められる福利厚生制度の研究」(P20〜21)より


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