テーマは“炭素” コクヨデザインアワード、優秀賞に伸びる「ガームテープ」など4作品(1/2 ページ)

優れた商品デザインを広く一般から募集し、商品化することを目指す「コクヨデザインアワード」。7回目となる今回のテーマは「炭素」。特別賞と優秀賞を計9作品が受賞した。

» 2008年11月18日 11時30分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 コクヨは11月17日、コクヨデザインアワード2008を受賞した9作品を発表した。

 2002年から始まったコクヨデザインアワードは、優れた商品デザインを広く一般から募集し、商品化することを目指すコンペティション。過去にも「カドケシ」「キャンパスノート パラクルノ」など、多くの受賞作品が商品化されている。

 7回目となる今回のテーマは「炭素」。紙や布、様々なプラスチック製品、木材、あるいはガスやガソリンなど炭素を含むものすべてを対象としてアイデアを募集し、4月1日から6月30日にかけて、国内外から1240点(国内970点、海外270点)の応募があった。

 審査員長は工業デザイナーの山中俊治氏。佐藤オオキ氏、柴田文江氏、水野学氏に加え、コクヨの黒田章裕社長が審査員を務めた。

吸盤がついた輪ゴムや伸びる付せん、金太郎飴のような鉛筆も

 特別賞は、審査委員各賞とコクヨ賞の計5作品。受賞者には、水野氏が今回のテーマの「炭素」をイメージしてデザインしたトロフィーと、副賞10万円が贈られた。

削りくずが見える鉛筆削り機「WOOD STICK(ウッドスティック)」。「やがて燃やされ、二酸化炭素を排出して消えるただのゴミをあえて見せることで、鉛筆を削る行為の時間経過を年齢のように視覚化した」(山中氏)
金太郎飴のような造りで、削ると断面から顔が生まれる鉛筆「けずりん坊」。顔の表情は削る角度によって変わる

「ONE COIN BAND(ワンコインバンド)」は、伸び縮みするだけでなく、吸盤にもなるつまみ部分のある輪ゴム。通常の輪ゴムに収納性と実用性をプラスし、多様な使い方ができる作品だ
切り込みが入っており、伸びる付せん「のびせん」。伸ばすと炭素構造のような模様が浮かび、気になった個所を指し示す目印になる

「C_NOTE(シーノート)」。クリップにコピー用紙を挟んで使うノートで、クリップ部はカーボンファイバーでできている。身近な紙をノートに転用することで、CO2やコスト削減を意識した
審査委員長の山中氏と、「炭素」をテーマにした今回のトロフィー。デザインした水野氏は「炭素と聞いてまずダイヤモンドが思い浮かんだ」とのことで、実際に2カラットのダイヤモンドが中心部に埋め込まれている

作品名 概要 受賞者・グループ名
WOOD STICK 山中俊治賞 削りくずが見える鉛筆削り機。 坂田佐武郎氏
けずりん坊 佐藤オオキ賞 削ると断面から顔が出てくる鉛筆。削る角度によって表情が変わる 江畑潤氏
ONE COIN BAND 柴田文江賞 吸盤にもなるつまみ部分のある輪ゴム。大きさはコイン程度で、収納性も高い 川瀬隆智氏
のびせん 水野学賞 切り込みが入っており、伸ばせる付せん。先端は矢印型で、気になった個所を指し示すのに適している 久松広和氏
C_NOTE コクヨ賞 クリップにコピー用紙をはさんで使うノート。クリップはカーボンファイバーでできている 高橋喜人氏
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