彼女の長話からアイデアを引き出す3つのポイント 【寄り道女とゴール男の会話術】「早起きは三文の得」実行委員が行く(1/2 ページ)

男性の皆さん、職場で「途中の話はいいから、結論は?」と、女性の話をさえぎったことはありませんか? 女性の皆さん、自分の長話に職場の男性がイライラしていると自覚していますか? このズレを改善すれば、思いがけないアイデアが生まれるかもしれません。

» 2008年10月23日 18時30分 公開
[豊島美幸,ITmedia]

 職場で異性と会話する時、次のような事態に遭遇したことはありませんか?

「課長の大輔」と「部下の陽子」のダラダラミーティング

 何かいいアイデアはないか――。とある会社の商品開発部署で、課長の早杉大輔(はやすぎ・だいすけ)が悩んでいる。彼は直属の部下、長井陽子(ながい・ようこ)にアイデア出しを打診することにした。

9時20分 大輔の視界に出勤してきた陽子が映った。陽子はテイクアウトしたであろうスタバのコーヒーを手に持っている。さっそく「いいアイデアはない?」と軽く聞くと――。

 「……(中略)……で、聞いてくださいよ課長。松屋通り沿いのスタバ。あそこって通るたび、コーヒーのいい匂い、しませんか? お客さんが出入りする時なんかドアが開くから余計に香るんですよね。……(中略)……今朝を入れてもう今週3回目ですよ。出勤前に寄っちゃったの。しかも今朝から新しいメニューが入ってきてて、和栗を使った季節限定のスコーンなんですけどね。朝から食べちゃいました……(中略)……」


9時25分 大輔は陽子にアイデアを聞きたかっただけだった。だが陽子は頬を紅潮させて、立ち寄ってきたばかりのスタバの話をし始めてしまう。しかも話は当分終わりそうにない。

9時28分 大輔は思うのだ。「朝っぱらから女の無駄話か。マジ勘弁してくれ」と。とはいえ自分から話を振った手前、露骨にいやな顔もできない。顔をこわばらせつつ話を聞いていると――。

「……(中略)……そう言えばコーヒーを飲みながら、香りが持つ商品訴求力ってどれくらい強いのかなってぼんやり考えたのを思い出しました。あ! 課長、今ふと思ったんですけど、今度の商品に香りを付けるってどうですか? まずマーケティングしてみて……(以下略)……」


9時35分 陽子がやっとアイデアの話をし始めた。さらに耐えた甲斐(?)あって、意外にも検討する価値が十分ある内容のようだ。

9時38分 「へえ〜。そのアイデアいいね」。大輔の晴れやかな声が朝のオフィスに響きわたるのであった――。

早朝イベント朝Expoの一環で行われた講演「『彼女はデキる』と思わせる対話術」(10月1日開催)から

 あなたが男性なら大輔の、女性なら陽子の心情や行動が、それぞれ分かるかもしれません。

 脳機能論の立場から人間の感性分析を行う企業、感性リサーチの代表、黒川伊保子(くろかわ・いほこ)さんは、異性同士の会話がズレる原因は、女性脳と男性脳の違いだと説明している。

 前回の日常会話術に引き続き、黒川さんによるビジネス会話術を見ていこう。ポイントは3つある。

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