簡単で安全、誤送信の取り消しも――インフォテリアのファイル転送サービス

インフォテリア・オンラインは、ファイル転送サービス「OnTranq(オントランク)」の提供を開始した。PCに専用クライアントソフトをインストールして利用する。セキュリティを重視しながらも、メールソフトのような使いやすさを心がけたという。

» 2008年10月09日 16時30分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 インフォテリア・オンラインは10月9日、ファイル転送サービス「OnTranq(オントランク)」の提供を開始した。送信側、受信側双方のPCに専用クライアントソフトをインストールして利用する。対応OSはWindows Vista/XP、Mac OS X 10.4/10.5。HTTP(TCP 80番ポート)、HTTPS(TCP 443番ポート)を使用する。利用料はPC1台あたり月額3000円から。


 OnTranqは、PCに専用クライアントソフトをインストールして、メールソフトのような操作感でファイルの送受信ができるサービス。利用にはファイルの送信側、受信側双方にソフトのインストールが必要だ。送信するファイル本体をクライアントソフトで暗号化するのに加え、通信経路も128ビットSSLで暗号化する。無料ファイル転送サービスやメールへのファイル添付に比べて、セキュリティを重視し、機密性の高いファイル送信などに適しているという。

 送信したファイルはインフォテリア・オンラインのサーバに一時保管し、受信側がダウンロードしたタイミングで消去する。一時保管スペースである「トランク」の容量は、100Mバイト/1Gバイト/無制限の3プランを用意し、いずれのプランも転送回数や転送量は無制限。なお、トランク容量が100Mバイトの「OnTranq 100M」は、1カ月間は無料で利用できる。

プラン名 一時保管スペースの容量 PC1台あたりの価格
(月額/年額)
OnTranq 100M 100Mバイト 3000円/3万円
OnTranq 1G 1Gバイト 3万円/30万円
OnTranq Unlimited 無制限 年額500万円〜、別途初期費用500万円〜

 専用クライアントソフトはメールソフトのような3ペインのインタフェースで、使いやすさを重視した。ソフトにはユニークなIDが割り振られ、初回に送信相手のIDを登録することで、ファイルを復号する公開鍵を交換する。ファイルの送受信の際はIDがメールアドレス代わりになり、メッセージに添付してファイルを送受信する仕組みだ。

 同一ファイルを複数人に一斉送信することも可能で、受信ファイルはフィルタリング設定をしておけばフォルダごとに振り分けられる。誤った宛先にファイルを送信してしまった場合には、相手がファイルを開く前であれば送信の取り消しができる。特定のフォルダを定期的に監視し、フォルダにファイルを入れておくだけで送受信処理を自動化する機能も搭載した。

メールソフトのようなインタフェースの専用ソフト。画像はWindows版

 OnTranqは、インフォテリア・オンラインが運営するオンライン表計算アプリ「OnSheet」に続くOnシリーズの第2弾として開発された。“Tranq”には、ファイルを一時的に預かるという意味の“trunk(トランク、かばん)”と、“Transfer&Queuing”という意味をかけているという。

 「不便、不安、面倒、これらは今あるファイル転送サービス全般に言えること。OnTranqはセキュリティ面を強化しながら、メールソフトのような利便性も備えた」(インフォテリア・オンラインの藤縄智春社長)。英語版も同時リリースするほか、年度内にさらに2〜3の新サービスを公開予定だという。

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