同じ印刷をするなら、きれいな画像で印刷できるに越したことはない。そこでチェックしておきたいのが解像度。さらにインクジェットとレーザー、印刷方式ごとのクセなども知った上で購入しよう。
PCのディスプレイやデジタルカメラ画像、プリンタでは、「解像度が高い」(高解像度)や「解像度が低い」(低解像度)など、「解像度」に関して同じ言い方をよくする。そのため、「解像度」の意味が、PC、デジタルカメラ、プリンタとも同じだと思っている人も多いだろう。
実は解像度の意味は機械によって違う。そこでまず、プリンタやスキャナでいう解像度とは何かを理解しておこう。
素材メーカーのアラレでは、「チームで使うプリンタを購入せよ」という指令のもと、プリンタ初心者の社員、プリンちゃんとターくんが、それぞれ所属チームのプリンタ選びに挑むことに。ドクトルPの助言のもと、2人は予算内に収まる候補を、必要機能、印刷速度、印刷時間を元に絞り込む――。
ドクトルP ポイント解説も残り3つになったね。今回は画質について学んでもらうよ。
プリンちゃん&ターくん は〜い、よろしくお願いします。
プリンタやスキャナで使われる解像度とは、広義の意味では、どれだけ高階調で高精細な表現ができるかの画質を意味する。
「階調」とう言葉を聞きなれない人もいるだろう。階調は、ある色から白色へのグラデーションで考えると理解しやすい。例えば黒から白へのグラデーションでは、黒を薄くしていくとグレーになり、最後は白になる。この白まで変化していく段階の細かさを階調と呼ぶ。階調が細かいほど自然に変化しているように見える。階調の最も明るい部分を「ハイライト」、中央部分を「中間調」、最も暗い部分を「シャドウ」という。
256段階と32段階、16段階で階調を変えたグラデーションを比較すると一目瞭然だ。階調が細かいほど、色の変化が滑らかに見えることが分かるだろう。
プリンタの商品仕様の解像度欄などに、600×600dpi(セイコーエプソンの「オフィリオ LP-S5000」)、1200×1200dpi(リコーの「IPSiO SP 6220」)と記載されているが、何を表しているか分かるだろうか。
実はこれ、1インチ(25.4ミリ)の横幅と縦幅がそれぞれ何ドットで構成されているか、という解像度を示している。ここでいう解像度とは、冒頭で解説した階調と精細さを併せたものではなく、単純に1インチあたりのドット数である。解像度の単位はdpiで表す。dpiとは「Dots Per Inch」の略だ。ドットが構成するのは1インチの幅であって、1インチ四方ではないことに注意しよう。
例えば100dpiなら25.4ミリの長さに100個のドットが集まっているというわけだ。25.4ミリの中に100個のドットなので、1ドット当たり25.4÷100=0.254ミリとなる。
ドットとは1画像を構成する最小単位の点を意味する。なお、PCやデジタルカメラでは、1ドットを1ピクセルで構成しているため、1ドットは1ピクセルでもある。
横幅の方が縦幅よりdpi値が高い5760×1440dpi(エプソンの「Colorio EP-901F」)といったケースもある。これは縦より横の解像度に対して人の目が敏感な性質に合わせているためだ。
解像度の数値が高いほど高精彩な画像になる。だからなるべく高解像度のプリンタを選ぶようにしたい。
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