フェンリル、Sleipnirの最新版を公開 IE 8利用時の不具合などを修正

フェンリルは、提供するWebブラウザの最新版「Sleipnir 2.8.2」を公開した。IE 8をインストールした環境で発生するおそれのある不具合などを修正している。「フレームスキン機能」を搭載した「Grani 3.5」も同時公開した。

» 2008年09月18日 12時22分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 フェンリルは9月18日、提供するWebブラウザの最新版「Sleipnir 2.8.2」を公開した。Internet Explorer(IE) 8 β2をインストールした環境で発生するおそれのある不具合などを修正している。入門者向けタブブラウザ「Grani」もバージョンアップし、デザイン面を強化した。

最新版のSleipnir 2.8.2(左)と、女性向けにデザインしたスキン「eclat(エクラ) gold」を適用したGrani 3.5(右)

 Sleipnir 2.8.2は、「起動時に前回終了時の状態を復元する」にチェックを付けた際に、Sleipnirポータルサイト「pota(ポータ)」のタブが2つ開くことがあった問題と、IE 8をインストールした環境でお気に入りファイルにIEFavoritesを指定しているとき、お気に入りの追加や整理ができない不具合を修正した。また、Windows OSのグラフィック処理ファイルであるGdiPlus.dllも最新版に更新した。

 Sleipnirの機能を簡易化した入門者向けのタブブラウザ「Grani」もバージョンアップ。最新版の3.5では、タイトルバーやウィンドウボタンを含めたブラウザ全体のデザインを変更できるようになった。この「フレームスキン機能」に対応したスキン「eclat(エクラ)」「brillant−colors(ブリヨン・カラーズ」も同時公開し、全7パターンを用意する。

 ブラウザ業界では、6月のFirefox 3のリリースを皮きりに、8月末のIE 8 β2、9月初旬のGoogle Chrome βなど、今年に入ってリリースが続いている。フェンリルでは、「ブラウザは高速なレンダリングエンジン、JavaScriptエンジン、起動速度など、速さを重視する方向性が強まってきている。Sleipnirも基本性能の向上は考えるが、まずはインタフェースの改良など、感覚的、視覚的な使いやすさの向上に力を入れて差別化を図りたい」とコメントした。

 また、ユーザーニーズが高いという「Sleipnir開発キット(SDK)の提供にも力を入れていきたい」(フェンリル)。6月に行われたフェンリルユーザーミーティングでは、SafariやGoogle Chrome、国産ブラウザであるLunascapeなどに搭載されているレンダリングエンジン「Webkit」への対応も伺わせたが、「検討はしているが、現段階では詳細は未定」とした。

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