iKnow!が多言語化 まずは日本語学習、甲斐田裕子氏などの声優起用

英語学習サイトなのに正しい日本語が学べる――。SNS型英語学習サイト「iKnow!」で、外国人向け日本語学習コンテンツが公開された。日本語の発音には、アニメ『スパイダーマン』などに出演した甲斐田裕子氏などの声優を起用した。

» 2008年09月09日 13時36分 公開
[鷹木創,ITmedia]
日本語学習コンテンツのイメージ

 英語学習サイトなのに正しい日本語が学べる――。こんな試みを始めたのが、セレゴ・ジャパンが運営するSNS型英語学習サイト「iKnow!」だ。9月9日に、外国人向け日本語学習コンテンツを公開した。

 2007年10月にオープンしたiKnow!は、25万人の日本人ユーザーを抱える語学学習サイト。学習コンテンツだけの提供ではなく、効率よく学習を進められるアプリケーションを用意しているが特徴で、SNSとして運用しているサイト内部では各種コミュニティが存在し、英語学習のためのコミュニケーションが図られているという。2008年5月には、ユーザー自身が学習コンテンツを作成できる「マイリスト」も開始し、ユーザーの参加度合いを強めた。

 今回公開したコンテンツは、英語を話せる外国人向けの日本語学習コンテンツ。一見、従来のコンテンツとのつながりは少なそうだが、ユーザーのコミュニケーションという意味では別。英語を話せて日本語が話せない新規ユーザーと、日本語が話せて英語が話せないこれまでのユーザーの出会いによって、「お互いの学習効果が高まる」(セレゴ・ジャパンのアンドリュー・スミス・ルイス会長)という。

 iKnow!のユーザー検索で、日本語を学ぶ外国人ユーザーを検索できるほか、最新日記の表示ページから発見できる。学習コースのディスカッションコーナーでは、日本語や英語の疑問に双方が回答しあうケースも想定している。このほか、iKnow!上でSkypeを設定することで、外国人ユーザーと日本人ユーザーが、相互にコンタクトを取りやすくなる。Skypeで実際に話したり、インスタントメッセージを交し合えば、「生きた英語でトレーニングできる」(アンドリュー会長)というわけだ。

アンドリュー会長(左)と柏野裕美マネージャー(右)

 公開する日本語学習コンテンツは、学習者に応じて、入門レベルと初級レベルの2つを用意。各5コースでそれぞれ200語彙を学べることになる。また、10月には中級レベル、その後は上級レベル、各4000語の導入を予定。英語学習と同様に、聞き取りの「Dictation」、早押しクイズ形式の「BrainSpeed」、「iKnow! ポッドキャスト」などが利用できる。

 日本語の発音には徳本恭敏(とくもと・ゆきとし)氏、甲斐田裕子(かいだ・ゆうこ)氏、最上嗣生(もがみ・つぐお)氏といった声優を起用。通常、語学コンテンツにはナレーターなどを起用するケースが多いが、「声優を起用することで、感情のこもった日本語が学べる」という。なお、徳本氏は初級日本語、甲斐田氏は初級・中級日本語、最上氏は中級日本語を担当した。

 アニメ『スパイダーマン』で、スパイダーマンの恋人役メリージェーン・ワトソンの日本語吹き替えを担当した甲斐田氏は、「自分で今回演じていて思いましたけど、同じつづりで違う意味を持った言葉や、同じつづりでアクセントが違うだけで意味が違ったりする言葉が結構たくさんありますよね。そういうのは難しいなと思います。でも、それが逆に楽しいので、いろいろ調べてがんばってほしいです」とコメントした。

 セレゴ・ジャパンでは今後グローバルな展開を視野に入れ、英語や日本語以外についても学習コンテンツの公開を予定。また、「iKnow!というオープン・プラットフォーム上で、ユーザーやパートナーによってコンテンツが創造されるような仕組みを作り、学習コミュニティが有機的に成長するような開発を目指す」(柏野マネージャー)としている。

セレゴ・ジャパンのオフィス。開発チーム25人中18人は外国人で、これまで社内からも日本語学習コンテンツが望まれていたという

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