「とりあえず速いよ」に反応してしまう人たちBiz.ID Weekly Top10

公開されて以来、各所で多くの注目を集めているGoogleのWebブラウザ「Chrome」。IT業界にそれほど詳しくないたちから「あれってどうなの?」と聞かれたときには、筆者は決まってこう答えている。

» 2008年09月05日 20時09分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 先週のBiz.IDで最も注目を集めたのは、硬度“10B”の「筆鉛筆」を紹介した記事。埼玉県や岡山県など一部の県で行われている「硬筆書写」のために開発された、トメ/ハネ/ハライができる鉛筆だ。現在はオンラインショップと埼玉県内の文房具店でしか購入できないが、全国の文房具店店頭に並ぶ日も近いかも?

 さて、今週発表されたIT業界のニュースの中で最も世間の注目を集めたのは、間違いなくGoogleが開発したWebブラウザ「Chrome」についての話題だろう。 Biz.IDでも便利な使い方使用感に関する記事を掲載しており、来週のアクセスTop10ではChrome記事が軒並みランクインしそうな勢いだ。

 9月3日に行われた記者発表会では、米Google本社エンジニアリング・ディレクターのライナス・アプソン氏がWeb会議システムで登場。Chrome開発の経緯と今後の展望について語った。その中で、印象に残ったアプソン氏の発言は以下のようなものだった。

 「知り合いのとあるプロジェクトマネージャーが、僕にこうぼやいたんだ。『私は普段、自動車を運転している時間よりも、ブラウザを使っている時間の方が長い。そして、私と同じような状況にいる人が多いはずだ。彼らは、自動車の場合は何台も試乗してから購入を決めるのに、どうしてブラウザでは同じことができないんだ?』とね」

 アプソン氏が発表会中に語ったように「Internet Explorer(IE)以外のブラウザがあることを知らない人がまだまだ多い」ということも理由の1つだろうが、たとえ知っている人でも、わざわざ時間をかけてIE以外のブラウザを試してみようという人は決して多くはない。これは、車が一般に高価な買い物であるのに対し、ブラウザは無料でダウンロードできるからではないだろうか。金銭的なコストがかからない選択に、人は手間暇をかけないのかもしれない。

 筆者は、ITに詳しくない友人に「グーグルがなんかブラウザ? とかいうのを出したらしいけど、どうなの?」と聞かれたときには、アプリケーションショートカットなどの便利な機能は置いておいて、「とりあえず速いよ」とだけ答えるようにしている。「それだけ?」という反応が返ってくることもあるし、「どれくらい速いの? 何をしたときに速いの?」と詳しいところまで聞いてくる人もいる。

 筆者の場合、Webメディアの記者という仕事柄、ブラウザの速さは仕事の速さに直結する(もちろんブラウザだけが速くても意味がないのだが……)。そのため、普段使っているブラウザ以外でも、バージョンアップして「高速化」などとうたっていたりすると、とりあえず試さずにはいられない。

 同じように「とりあえず速いよ」の一言にぴくっと反応してしまうような人は、少しの手間暇をかけてでも、いろいろなブラウザを試してみる価値はあるかもしれません。

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