日本全国を歩いた伊能忠敬による地図測量の旅でも、歯痛は大問題。筆者も大きな旅に出る直前になると決まって、歯の具合がおかしくなる。事前に歯医者で診てもらったり、現地の歯医者を確認することはもちろん、予防も怠りなくしよう。
日本全国を歩いた伊能忠敬による地図測量の長旅でも、歯痛が大問題だった。筆者も大きな旅に出る直前になると決まって、歯の具合がおかしくなる。これは、今まで筆者の妙なジンクスになっていた。理由はよく分からないが緊張感による体調の変化が関係しているのかもしれない。
大学3年の時にオーストラリアに船に乗って留学することになった。43年前だ。もちろん飛行機で行けたが、お金がなかったので、貨物船を探して乗せてもらった。出発する数日前に、歯に違和感を感じだした。少しだけ腫れていた。「これはまずいな」と慌てて歯医者に行って応急措置。船に乗って腫れは引いていたが、まだ余韻が残っていて、船の上で歯の痛みのことを話したら、船医が、
「歯の痛みがこじれたら船旅は地獄だよ。この船も1週間どこにも立ち寄らないから、痛さがひどくなったら、痛み止めか、歯を抜く以外に方法がない」
と言っていた。「歯痛でも腫れがひどく、菌が回ったら、ヘリコプターで救助された人もいる」という。
小さい時から歯医者に通ってきたが、商社マンになって海外駐在し始めて、各国の歯医者を見てきた。歯医者さんはピンからキリまで、怪しげな町医者から、欧米系の歯科医までいろいろだ。欧米系のちゃんとした歯医者に掛かると、1回の治療でも数万円の費用がかかることがある。
筆者が駐在した、ナイジェリア・ラゴス、サウジアラビア・リヤド、ベトナム・ハノイ、ネパール・カトマンドゥでは、いずれも事前に外国人でも安心して行ける衛生的な歯科医の情報を集めていた。いつなんどき、歯が痛くなるか分からないからだ。とはいえ、シンガポールに出張した時、あまりの歯痛でJCBのサービスで、緊急に歯医者を紹介してもらい、飛び込んだこともあるが。
日本では予約して診てもらう。「すみません。3日後から海外出張なんです」「では、痛みだけ抑えて、帰国後治療しましょう」ということが何度かあった。
最近になって仰天したのは、結婚して38年間のヨメサンは、筆者の記憶している限りでは歯科に通ったことがない。「あるわよ」「え、あったか? 虫歯か?」「1度だけ歯医者さんに行ったわ。でも、検査してもらっただけ。虫歯になりかけのところを少しだけ削ってもらったわ」
同じ人類とは思えない。筆者の場合、今までの人生を思えば対処療法ばかりしてきたが、ここ20年、ある程度予防に力を注ぐことができてきた。
まずは歯間ブラシである。歯間ブラシは、歯磨きの基本だ。アフリカやサウジアラビアでは、町の雑貨屋では、歯磨きの木の枝を売っている。細い木の枝を気長に噛んで、ゆっくりと気の枝の端を潰して、ブラシのようにして、口の中を徹底的に磨いていく。
筆者は、歯間ブラシを使い始めて、歯痛現象の発生比率が明らかに減ってきたことを感じている。歯間ブラシは、歯の間の隙間の大きさにしたがって、最小サイズSSからLLまである。旅に持ち出すのは、SSを数本である。
自宅にいるときは、歯間ブラシを使ったあと、ナショナルのウォーターピック「デンタルビートプチ(EW176P-W)」(Amazonで3780円)で、隙間に残った食べ物の残りかすを水で吹き飛ばす。電池式だから、長旅にもうってつけだ。もちろん中に入れる水はミネラルウォーターである。
筆者が愛用する練り歯磨きは、佐藤製薬の「アセス」である。すでに20年使っているが、明らかに虫歯や歯槽膿漏の予防には効いていると思う。これが筆者の歯磨きの基本となっている。これを電動歯ブラシで磨いて、約2分。さらにサンスターの練り歯磨き「GUM」を使って、通常の歯ブラシで簡単に磨く。これが寝る前のセレモニーだ。
朝は、食後にウォーターピックで、残りかすを吹き飛ばすだけにしてきた。このあたりの不徹底さが、筆者らしい。海外出張時の緊急事態用に、歯の炎症のための抗生物質を持参しているのは、自分でもあきれている。基本的に虫歯は事前に治療しておくとよい。歯磨きは徹底的にするとよい――筆者の経験則である。
筆者の歯磨きポイント | |
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1 | 帰宅すればうがい(新コルゲンうがいくすり、イソジンうがい薬、リステリン) |
2 | 歯間ブラシを使う |
3 | ウォーターピックで残りかすを吹き飛ばす |
4 | アセスを使った電動歯ブラシで磨く |
5 | GUMを使った通常歯ブラシで磨く |
これだけやっても虫歯になるなら、親のせいにしよう。
1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら。
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