管理業務と現場の仕事が両立できない早田部長、教えてください!

課長になりましたが、人数が足りないのでマネジメントはもちろん、現場の仕事もやっています。今まで部下がいなかったので、上手く指示が出せず、結局自分で現場の仕事をしてしまい、時間が足りません。

» 2008年08月25日 15時35分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 昇格して部下ができた、という30代ビジネスパーソンも多いはず。人手不足の中、常に最前線で仕事をしてきたという人が最初につまずく可能性があるのが、部下を管理する方法です。

 答える部長さんは、京セラコミュニケーションシステムの早田麻子(はやた・あさこ)事業部長。部長もマネージメントの初歩で苦労したようです……。

管理業務と現場の仕事が両立できない(男性、32歳、企画、課長)

 4月から課長になりましたが、人数が足りないので、マネジメントはもちろん、現場の仕事もやっています。今まで部下がいなかったので、上手く指示が出せず、結局自分で現場の仕事もやってしまうことが多く、時間が足りません。

 また毎日のようにミーティングがあり、しかも毎回2〜3時間はかかるので本当に辛いです。ミーティングの間に現場の仕事も仕上げなくてはならないのですが、それもままならず、結局土日祝日に仕事したりしています。

 上手く部下に指示を出して、自分の負担を減らすにはどうしたら良いのでしょうか。また、長い会議の時間を考慮した上で、自身の業務を終わらせるためにはどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。


課長職をいったん降りるのも方法

 問題はマネージメントをどのように考えているか、ということでしょう。マネージメントする目的は部下を育てることであり、自分がやったほうが早くても、部下に指示して仕事を振ることです。

 管理職の仕事は「任せてチェック、指示して確認」。意思決定だったり判断だったり、そのために時間を空けておく必要があります。私もそうだけど、スケジュールは放って置いたらバンバン埋まります。だからしっかり意識して時間を空けておきましょう。

 それから、課長のモチベーションが下がっているのは問題です。管理職のモチベーションが下がるとチームのモチベーションが下がりますから。そうなると、現場のやる気が出ず、売り上げが伸びず、管理職の責任が問われ……という負の連鎖反応しかない。

 マネージメントができなければ課長職をいったん降りるのも方法です。以前、私の部下でこういう人がいました。彼は係長だったのですが、現場の仕事もやらなければならない、いわゆるプレイングマネージャー。管理職として数字を管理する一方、自分自身も売り上げの数字を獲得していかなければならない。

 ある日、彼は私に「いったん係長から降ろしてほしい」と言いました。はた目には降格に見えるし、勇気が要る発言です。でもこう続けたんですね。「降格に見えても僕は構わない。その代わり、今の仕事を後輩に教えて手が空いたらもう一度チャレンジさせてくれませんか」

 名プレイヤーが名マネージャーになるわけじゃない。私自身も係長から現場に戻ったこともあります。その時はボロボロ泣きましたが、マネージャーとして自信が持てないのであれば、一度プレイヤーに戻って、自信をつけて上がったほうがいい。そして、先ほどの彼のように、上司に対して将来チャレンジさせてほしいとコミットしておくといいでしょう。

今回答えてくれた部長さん 早田麻子(はやた・あさこ)さん

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)東日本ICT営業本部東日本ビジネスイノベーション営業部事業部長。京都市出身。1994年、同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。同年、山一證券入社。1996年、KCCS入社。1997年、情報通信営業部東京営業所に赴任。2001年、首都圏営業1課責任者。2002年、首都圏営業1部副責任者。2003年、ネットワークシステム営業部 ソリューション営業部副責任者兼ソリューション営業課責任者に就任。2006年、IPサービス事業本部IPサービス東日本営業部 副事業部長に就任。2007年、東日本ICT営業本部東日本ビジネスイノベーション営業部事業部長に就任、現在に至る。1女児の母。


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