2007年10月から一般への配信も始まった緊急地震速報。実は震源地から近すぎると、配信が間に合わない場合もあるという。そんな時、頼りになるのが「デジタルなまず」。さらにAEDなど、オフィスに備えておきたい機器を紹介する。
気象庁から配信される緊急地震速報は、2004年2月から国や地方公共団体、鉄道などへ、試験的に運用・配信を開始し、2006年8月からオフィスや学校、病院など情報提供の範囲を広げた。
2007年10月1日からは一般への配信が始まり、テレビなどでも放映されるようになった。しかし、地震の震源地が近い時などはこの速報が間に合わない。あるいは誤報・誤差など、まだ問題点を抱えている。だからこそ、日ごろの防災訓練や準備が大切だといえる。
とはいえ、現在この緊急地震速報の受信機「デジタルなまず」の普及が急速に進んでいるという。
デジタルなまずは、何秒後にどのくらいの地震が来るかを音声と画面で知らせてくれる。インターネット接続可能な環境であれば、好きな場所に取り付けが可能。また、子機を設置すれば、同じ建物内の離れた場所への同時発報が可能で、完全停電時も1日以上正確な時間を表示する。
現在、オフィスや工場や医療機関、学校などでの導入が盛んだが、一般家庭でも導入が進んでいるという。地震を事前に知ることで安全確保の可能性が広がる、デジタルなまずが防災に一役買ってくれるはずだ。
2004年7月から一般市民も使用できるようになり、空港や駅、公共施設などでよく見かけるようになった「AED(自動体外式除細動器)」。心臓が不規則にけいれんすることを心室細動と言うが、これにより体内に血液を流す機能がストップした時、心臓に電気ショックを与えることで心機能を正常なリズムに戻す医療機器だ。
心室細動は、発症から1分経つごとに救命率が7〜10%下がるとされ、救急車を待つ間に命を落とすこともある。つまり、1分1秒が勝負。もし、周囲の誰かが心室細動を起こしたら、救急車到着前にできるだけ早く心臓を正常な状態に戻す必要がある。最近では、一般市民がAEDを使用して救命したというケースが増えている。
操作方法は音声ガイドが誘導してくれる。さらにメーカーや消防署、地方自治体などで講習も実施されており、いざというときに利用することが可能だ。周辺住民や通行人の発症にも活用でき、地域貢献にもつながる。短期レンタルしているメーカーもあるので、「いざ」という時の備えにオフィス導入を検討してみては?
『月刊総務』2008年1月号 「オフィスの備えは大丈夫? 社員を守るマストアイテム」より