マインドマップで共同作業できる「Mindjet Connect」って何?

マインドマッピングソフト「MindManager」と連携し、1つのマインドマップを複数人で共有して共同作業できるサービス「Mindjet Connect」。国内での提供も予定している同サービスについて、来日した米Mindjet副社長のジョン・ウォン氏に話を聞いた。

» 2008年08月08日 19時30分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 ブレインストーミングや議事録のまとめなどにマインドマップを使っているというビジネスパーソンも多いだろう。最近は無料で使えるオンラインマインドマップサービスなども増えてきた。

 そんな中、マインドジェットが販売しているパッケージソフト「MindManager」は、マインドマップの作成だけでなく、ビジネス情報全般を管理する“情報マネジメントツール”として、ファイル管理やプロジェクトマネジメントなどにも利用されている。

 このMindManagerと連携し、1つのマインドマップを複数人で共有して共同作業できるサービスが「Mindjet Connect」だ。現在は米国と欧州で販売されており、国内での提供も予定している同サービスについて、来日した米Mindjetのジョン・ウォン副社長(Eコマース、ディストリビューション担当)に話を聞いた。

「マインドマップはどうやってまわりとシェアすればいいの?」

米Mindjetのジョン・ウォン副社長(Eコマース、ディストリビューション担当)

 米Mindjetが開発し、国内ではマインドジェットが販売するMindManagerは、全世界で約130万人、国内でも約4万人が利用しているマインドマッピングソフトだ。このMindManagerと連携し、マインドマップを複数人で共有したり、オンラインストレージ、インスタントメッセージング、ホワイトボード機能などを備えたサービスが「Mindjet Connect」。サーバをMindjetのデータセンターに置くSaaS型で、現在は米国と欧州各国で提供されている。

 Mindjet Connectの開発にあたっては、「MindManagerで作成したマインドマップは、どのようにまわりとシェアすればいいのか。どんな形のコミュニケーションに生かせばいいのか」という多くのユーザーからのコメントがベースになったという。これまでのMindManagerが“個人の情報を管理するために、個人が作成していた”マインドマップのためのツールだとすると、MindjetConnectはコラボレーションのためのツールと位置づけることができるのだ。

複数人でマップを共有、「ビジネス上の情報を一括管理」

 Web上にアップロードしたマインドマップを、複数人でリアルタイムに編集できる「コマッピング機能」は、Mindjet Connectの重要な要素の1つだ。メンバーが今どこを編集しているのかをリアルタイムで確認できるため、インスタントメッセージング機能などでコミュニケーションをとりながら、シームレスに作業を進めていける。「データをメールで送って、そのデータをまた送り返して……そういった時間的なギャップはなくなる」

(左)コマッピング画面では、右上に参加者を表示。ノードを作成したユーザー名の表示や、追加されたノードを別色表示する機能を備えている。(右)インスタントメッセージング機能を使ってやりとりしながら、リアルタイムで共同作業を進めていく

 MindManagerにMindjet Connect用のアドインを組み込むことで、ビジネス上の情報を一括管理する「ファイル管理ソフトとしての使い方」も想定している。ソフトウェア上の「ワークスペース」に置いたファイルと、Web上のスペースに置いたファイルをリンクさせることで、参加者全員が常に最新の情報を共有できるようにした。参加者のファイルへのアクセス権限は「閲覧のみ」「編集も可能」など自由に設定できて、ファイルのリビジョン管理機能も備えている。

 オンラインのコラボレーションツールとしては、Google DocsやWiki、Skypeなどさまざまなサービスがあるが、Mindjet Connectのコンセプトは、それらのサービスと競合するものではないという。「あくまでもMindManagerを補完するために、マインドマップをベースにした視覚的なコミュニケーションを向上させるためのサービスとして位置付けている」

 日米のMindjetチーム間でも、Mindjet Connectを使って業務を進めているという。「Webブラウザから使えるので、日本だろうが米国だろうが自宅だろうがオフィスだろうが、どこでも見られるという点は大きい」

 2008年6月から提供が開始されている米国では、価格は1ユーザーあたり月額11.99ドル(1〜9ライセンス購入時)だ。ウォン副社長は、日本での発売時期や価格設定に関しては未定としながらも、「日本のユーザーを考えた場合、SaaSというテーマはかなり重要になってきている。今後MindManagerのシェアを大きくしていく過程で、Mindjet Connectのポテンシャルも高まっていくと考えている」と語った。

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