Evernoteの基本的な使い方【チュートリアル編】シゴトハッカーズ

各種データを保存できるだけでなく、複数のデバイスからメモが可能。そして、メールソフトに似たインタフェースで、各メモに自由にタグ付けができる。そんなEvernoteの使いこなし術を伝授します。

» 2008年08月01日 15時10分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

 これまでも何度も登場してきたメモアプリケーションEvernote。その特徴の1つは画像やWebクリップなども保存できること。2つ目は、Webアプリケーションとして閲覧や書き込みができるだけでなく、Windows版やMac OS版、Windows Mobile版、iPhone版などのクライアントソフトが用意されており、どんなデバイスでメモを取っても自動的に同期されることです。

 対談ではタグの使い方を紹介しましたが、そのときに利用したツール――Evernoteをどう使いこなしたらいいか、筆者の使い方を例にご紹介しましょう。

1――基本的には自分のノート専用のメールソフト

 Evernoteは、自分のメモ管理専用のメールソフトと考えるといいでしょう。いわゆる「3ペイン」のメールソフトです。「ノートブック」や「タグ」が並ぶのは、「受信トレイ」や「送信ボックス」の並ぶスペース。Creation Date、Title、Tagsなどの項目が上部に表示されて、その下にノートがリストアップされている様子はメールそのものですし、そのノートを選択すると、プレビューが表示されるのも基本的なメールソフトと同じ構造です。

 もちろん、リスト中の[Creation Date]項目をクリックすればノートを新しい順に並べ替えることができます。もう一度クリックすれば古い順に並べ変わります。

2――新しいノートを作るには

 新しいノートを作るには、[New Note]のアイコンをクリックすればOKです。あるいは、本文表示ペインの最後のページが白紙になっているので、その白紙に文字を入力すれば新しいノートを作ることができます。

3――Notebooksでフォルダ分けできる

 Notebooks以下に並ぶのは、Windowsのエクスプローラでいえばフォルダに相当します。これはこれで便利ですが、ここの数をあまり増やすと、思わぬノートが意外なNotebooksに入っていて、後ほど探しにくくなるのでお勧めしません。

 可能な限り少なく、そして独立性の強いものだけを別のNotebooksで管理するようにします。1つも新たに作らなくても、かまわないでしょう。

4――タグ

 Evernoteではメモごとに簡単にタグ付けできます。タグはあとでネームを変えることもできますし、タグだけを削除しても、そのタグの付いたメモは削除されません。したがって安心してタグを管理することができます。

 ただし、筆者はEvernoteにメモを取った直後は、タグ付けしないことも多いです。毎日夕方ごろに改めて、そうした「タグなしメモ」だけを見直してタグを付けるようにしています。タグの付いていない状態にあるうちは、まだメモは「短期メモ」であり、残す価値があるかどうかを吟味し、残す価値があると分かったら、タグを付けて「長期保存メモ」にするわけです。

 さて、筆者は次のようなタグ付け基準を持っています。

タグ付けの基準
順序 意味 タグ記述ルール
1番上に並べる 「よく使うタグ」 .+[]で囲む
2番目に並べる 「コラムや連載で使うようなタグ」 .+「」で囲む
3番目に並べる 「書籍を書くための使うメモのタグ」 .+『』で囲む

 このタグ付けの意味は、タグそれぞれが「プロジェクト名」と対応していることです。例えば、本連載を筆者はプロジェクトと位置づけていますから、本連載に役立ちそうな資料となるメモはすべて.「シゴトハッカーズ」というタグを付けています。

 同時に、その資料が例えば書籍の執筆などにも役立ちそうであれば、.『書籍名』というタグも付けておきます。このように、複数属性を持たせられるのは、タグ管理方式の大きなメリットと言えるでしょう。

 そして、プロジェクトが終わったら、タグをリネームします。例えば本連載が残念なことに終わってしまったら、■「シゴトハッカーズ」というタグに切り替えるのです。

 すると、タグは名称で並び替わるので、それまでは上位の方に並んでいた「シゴトハッカーズ」のタグが一番下に落ちます。

 こうすれば、資料を集める時に、どんなプロジェクトに必要かを常に意識することができます。すでに終わってしまったプロジェクトも一目で分かります。以前の資料が欲しくなれば、■の付いたタグを探せばいいのです。

 メモを管理する場合には、タグで管理するというだけではなく、タグを管理する視点を持つ必要があります。タグがプロジェクトなどと一致していれば、仕事で気になった資料の行き先について悩まなくて済みますし、タグの数も一定に保つことができます。

 タグの話ばかりになりましたが、そもそもメモというものは仕事を進めていく上での「タグ」(目印)にあたるものですので、必然的にこうした話になるのだと思います。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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