どれが一番隠せるの? セキュリティスタンプ4製品をISOTで試したISOT 2008

ケシポン、ミッキーマウス めかくしスタンプ、セキュアスタンパー――ずいぶん製品が増えてきたセキュリティスタンプ。ISOT 2008でいくつか試してみた。

» 2008年07月11日 20時16分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 プラスの「ケシポン」を皮切りに、ずいぶん製品が増えてきたセキュリティスタンプ。封筒の宛名などの個人情報に押印することで、もともと記載してあった情報を読めなくする製品である。ISOT 2008でも数種類のセキュリティスタンプが展示されていたので、試してみた。

 まずプラスの「ケシポン」。A、B、E、G、H、K、M、W、Xといった9種類のアルファベットを幾何学的に配列した。それぞれアルファベットの向きも変えており、「書かれた個人情報を隠すよう意図的に配列した」(プラス)という。印面のサイズは13×42ミリで、価格は997円。

 名刺の住所部分を見えなくしてみようと押してみると、確かに読みにくくなった。ただ、ちょっと印面が小さいので筆者の名刺の情報を消すには何度か押す必要がありそうだ。


 続いては「MICKYMOUSE」などの文字列で個人情報を隠す「ミッキーマウス めかくしスタンプ」。ビバリーが販売しており、印面が26×26ミリと正方形のMサイズ(735円)、12×45ミリと長方形のLサイズ(1050円)を用意している。

 会場ではLサイズで試してみたところ、プラスのケシポンよりも白い部分が多い感じ。だからと言って元の文字が読めるかというと、それなりに読みにくい。ケシポンの印影は意味のない文字列だったが、めかくしスタンプはMICKYやMINNYなどの単語がはっきり分かる。単語を読めるほうが元の文字への注目をそらす効果が高いのかもしれない。


 次に試したのはシヤチハタの「セキュアスタンパー」。2007年にシヤチハタが開催した「第8回シヤチハタニュープロダクト・デザイン・コンペティション」のグランプリ受賞作だ。印面のサイズは13×42ミリと24×71ミリの2種類で、価格は945円と1575円。印面のパターンも、パンダのようアイコンを羅列したものと、宛先に使われるような地名や住所の文字列を重ねたものの2種類がある。

 今回は印面が広いサイズのほうで、住所の文字列を重ねたものを試してみたところ、これがなかなかいい感じ。ビバリーのめかくしスタンプと同様に印影の文字がそれなりに読めるので、元の文字への注意がそれる。さらにめかくしスタンプでは英語の印影だったが、セキュアスタンパーでは日本語。めかくしスタンプよりも目に入りやすい――というわけだ。


 最後に試したのは、印鑑や印章を製造・販売する大日堂の「ケセーる」。印面の大きさは4種類で、15×75ミリ(1575円)、24×41ミリ(1680円)、25×82ミリ(1890円)、38×75ミリ(2940円)。

 印影は文字と図形が混ざるタイプで、かなり消せそう。もっとも安い15×75ミリで試してみたが、名刺の情報部分をほぼカバーする消しっぷりだった。一瞬「おお!」と思ったが、実はよく見てみるとちょっと下の文字が浮いて見える。「あんまり強く押しすぎると、黒くなりすぎてもともと印刷された部分が浮き出るように見えるんです」(大日堂)とのこと。な、なんだってー。

消したはずの情報だがよく見ると……

 そもそもセキュリティスタンプは、白い部分と黒い部分が存在することで下の文字を見えにくくするというもの。だから黒くなりすぎてもともとの印刷が浮き出る問題は、シヤチハタ印のような押せば押すほどインクが染み出る浸透印のセキュリティスタンプであるケシポンやめかくしスタンプ、セキュアスタンパーでも同様に起り得るのだ。

 だが、隠したいと強く思えば思うほどスタンプを強く押してしまうのも人間の心理。せめてセキュリティスタンプを使うときは、冷静にそして優しくゆっくり押してみてはいかがだろうか。

なおプラスでは、浸透印ではないタイプのセキュリティスタンプも展示。8月21日発売予定だ。ただし、本体はもちろん印影も撮影の許可は下りなかった
浸透印タイプだが、大日堂では携帯しやすいタイプも展示。レバーを押すとくるっと印面が回転する仕組みが面白い

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