「正しいかどうかを判断するルールを教えて」という質問の多いことが、私は昔から分かりませんでした。最近あることに思い当たって、謎が解けたような気がしています。それは「不安」なのです。
先日、私の定番研修メニューである「読解力&図解力」講座を開いていた時のこと、受講生からこんな質問を受けました。
「複雑な情報を自分で整理分析して図解した時に、自分ではできたと思っていてもそれが正しいとは限らないですよね。正しいかどうかを判断する基準は何かないでしょうか」
実はこのような質問は非常に多いんです。だいたい毎回必ず出ると言っていいぐらいのものなので、とても多くの方が同じ壁にぶつかっていると思われます。このことは「専門知識を教える」側にとってもある大事な意味を持っています。従って、この連載でそれを取り上げる意義もある、ということで今回の記事を書きました。
もしも上記の質問に対して率直に極めて率直に答えると実は、
となります。そう聞いて予想される反応はざっと3種類ありますが、「そりゃそうだよな、当たり前だ」と思った方は恐らくこの先を読む必要はありません。「あ、なんだ、それでいいのね」と安心した方は、その安心をより深めるためにこの先を読んでください。
問題は、「え? え? 自分で決めるの? どういうこと?」と思ってしまった方です。その場合はもしかしたらこの先を読むと大変なカルチャーショックを受けるかもしれません。その覚悟を決めてからこの先を読むようにしてください。
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