“割符化”してデータを守る USBメモリで使うセキュリティソフト仕事耕具

 日立ビジネスソリューションは、データ分割型セキュリティソフトシリーズの新製品「割符ランチャーセット」を発売した。データをPCと専用USBメモリに「割符化」して保存することで、情報漏えいを防止する。

» 2008年06月16日 20時20分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 日立ビジネスソリューションは6月16日、データ分割型セキュリティソフト「モバイル割符(わりふ)2.0シリーズ」の新製品「割符ランチャーセット」を発売した。Windows Vista/XPで利用できる。価格は5ライセンスで10万5000円。

Windowsをシャットダウンする際に自動的に割符化が行われ、PCとUSBメモリに分割してデータが保存される

 モバイル割符2.0は、データの持ち出しや保管を安全に行うためのセキュリティソフトシリーズ。データを分割して別々の媒体に保管し、すべてがそろわないと元のデータに復元できないという「電子割符」の技術で、情報漏えいを防ぐという。モバイル割符2.0はPCにプログラムをインストールするタイプだったが、今回の割符ランチャーはインストール不要で、専用USBメモリで利用する。

 「毎日の仕事終わりにはUSBメモリを抜いて持ち帰り、翌朝出社したらメモリを差して仕事の続きをする。ユーザーは、分割・復元といったことをまったく意識することなく使用できる」(日立ビジネスソリューション)。暗号化したファイルは他人に復号されるリスクが常に付いてまわるが、「割符化」したファイルは1つのファイルからの復号はできないため、その心配もないという。

 プログラムとユーザー情報を設定した専用USBメモリをPCに接続すると、自動的にソフトが立ち上がる。ソフトが起動している間は、USBメモリを接続した状態でソフト操作をしなければWindowsのシャットダウンができない。ソフト上でシャットダウン操作をすると、あらかじめ指定しておいたフォルダ内のファイルが自動でデータ分割され、それぞれPCとUSBメモリ内に保存される仕組みだ。

 分割したデータは単体では内容を読むことができない。PCに再度USBメモリを接続すれば、自動的に分割データが1つの元データに復元される。分割数は2分割と3分割が選べ、3分割の場合は、3つのうち2つのファイルがそろえば復元できる。

 専用USBメモリはソフトに付属していないため、日立ビジネスソリューションを通じて、セッティングされた状態の「Secure EasyDisk・ED-S2シリーズ」(アイ・オー・データ機器)を購入する必要がある。専用USBメモリ(512Mバイトモデル)は1本8000円で、格納される割符ランチャーのサイズは2Mバイト程度。割符化データはPC:USBメモリ=99:1の比率で保存するため、容量の大きなデータでも問題ないという。

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