プリンタからグループウェアに直接アクセスして、社内文書を印刷する――。リコーとネオジャパンが発表した「desknet's for imagio」はPCがなくとも複合機だけで印刷できる文書管理システムだ。
プリンタからグループウェアに直接アクセスして、社内文書を印刷する――。リコーとネオジャパンは5月9日、そんなPCレスの文書管理環境を発表した。
今回発表した「desknet's for imagio」は、リコーの複合機「imagio」シリーズから、ネオジャパンのグループウェア「desknet's」に直接アクセスできる連携システム。通常、PCでグループウェアにアクセスしてから印刷する作業を、PCなしでできるようにした。
imagioの操作パネルから直接、desknet'sのIDとパスワードでログインして、「文書管理」に保存しているドキュメントファイルを印刷したり、imagioでスキャンしたデータを保存したりできる。スキャンデータの保存時は、ファイル名に日付などを加えるようあらかじめ設定することも可能だ。印刷できるのはWord、Excel、PowerPointのほか、PDF形式のファイル。スキャンしたデータはモノクロの場合はTIF、カラーの場合はJPG形式で保存する。
このほか、desknet'sの月次カレンダーも印刷可能。「出張先の事業所でPCを起動せずとも自分のスケジュールを確認できる」(ネオジャパン狩野秀樹取締役)という。
desknet's for imagioを利用できるのは、imagioシリーズのMP C2500/MP C3000/MP C3500/MP C4500の4機種。ライセンス料は複合機1台につき5万2500円。なお、desknet's for imagioを利用するには、別途desknet'sのスタンダード版が必要となる。
今回のdesknet's for imagioは、ネオジャパンがリコーから複合機の技術供与を受けて開発したもの。リコーでは他社とも協業し、すでにimagioと連携するシステムをいくつか発表している。今後、さらなるPCレスを目指す意向だ。「オフィスで情報の入出力を行う複合機を、PCや携帯電話代わりの情報端末として利用してもらいたい」(リコー八條隆浩リーダー)
“複合機の情報端末化”は、富士ゼロックスの「ApeosPort」シリーズや、キヤノンの「imageRunner」シリーズでも一部実現。リコーもLotus Notes/Domino向けの「imagio SmartDocLink for Lotus Notes/Domino」をすでに提供している。リコーでは「SmartDocLinkはLotus Notes/Dominoを利用する大企業向け。desknet's for imagioは中小企業向け」と切り分けている。
一方、「PCレスやサーバレスというニーズに関しては静観している」(キヤノン)と様子見のベンダーも――。中小企業向けの“複合機の情報端末化”を狙うdesknet's for imagioは新たなニーズを呼び起こすことができるのか、今後に注目だ。
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