SCAMPER法――「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法アイデア創発の素振り(2/4 ページ)

» 2008年04月15日 16時55分 公開
[石井力重ITmedia]

実践――SCAMPER法

 こういう時はSCAMPERという48の質問リストが有効だ。

 以下のリストを目の前に置き、アイデア出しのテーマを頭に入れたら、上から1つずつ見てゆく。1つ質問にかける時間は約5秒だ。パッと見て「直感的に関係しそうだ」というものだけ、チェックする。ゆっくり考えるのは後。どんどん進める。全部見終わると約4分。終わった時点で、少なくとも5〜6個のチェックがつく。

 後は、その質問を切り口にアイデアを考える。ふっと出たアイデアは素早く紙に書き留めること。SCAMPER法で、いいひらめきを引き出すには、あえて短時間で取り組むほうがよい。

SCAMPER Questions(出典:『creativity UNBOUND』 ※翻訳は筆者ら) チェック
Substitute(代える、代用する) S1)代用可能な部分はどれか
S2)何を代わりに使うことができるか
S3)ほかに誰を含めることができるか
S4)ほかにどんなグループを含めることができるか
S5)代わりにどんなプロセスを使うことができるか
S6)代わりにどんなマテリアル(モノ)を使うことができるか
Combine(組み合わせる) C1)何を組み合わせることができるか
C2)ブレンドする(混ぜ合わせる)ことはできるか
C3)どんな種類のアンサンブル(取り合わせ)を使うことできるか、創ることができるか
C4)部分同士を、どのように組み合わせることができるか
C5)目的同士を、どのように組み合わせることができるか
C6)アプリケーション(応用方法)同士を、どのように組み合せることができるか
C7)マテリアル(モノ)同士を、どのように組み合せることができるか
Adapt(適応させる) A1)これは、ほかのどのような考えを思い付かせるか
A2)何かほかに、これに似たものはないか
A3)過去に似た状況はないか
Modify(修正する) M1)さらにTwist(ひねり、コトの意外な曲折)を加えることができないか
M2)その意味あいを、どのくらい変えることができるか
M3)色や外形を、どのくらい変えることができるか
M4)サウンド(音、騒音、音声)を、どのくらい変えることができるか
M5)何を加えることができるか
M6)高さ・高度をどれくらい増やせるか
M7)重さをどれくらい増やせるか
M8)強度をどれくらい増やせるか
M9)頻度をどれくらい増やせるか
M10)価値をどれくらい増やせるか
M11)何を減らすことができるか
M12)何を縮小することができか
M13)何を簡素化することができるか
M14)控えめに言うことができるのは、どんな部分か
M15)サイズをどれくらい小さくできるか
M16)重さをどれくらい軽くできるか
Put to other uses(ほかの使いみち) P1)そのままで、何かほかへ使えないか
P2)もし一部を変えたら、新たに生まれるほかの用途は何か
P3)ほかにどんなマーケットが受け入れるか
Eliminate(省略する、除去する) E1)何を、取り除くことができるか、省略することができるか
E2)ある部分がない時、どうやって実行するか
E3)何を犠牲にできるか
E4)あげてしまえるものは、何か
Rearrange(再調整する) R1)ほかに、どんなパターンが使えるか。
R2)ほかに、どんな配置が使えるか
R3)ほかに、どんなレイアウトが使えるか
R4)何を交換できるか
R5)何を置換できるか。言い換えられるか。
R6)何を、再結合できるか
R7)逆にしたらどうなるか
R8)上下逆さまにしたらどうなるか
R9)内外を裏返したらどうなるか

 リストは使う前に印刷するとよい。チェックは紙の方が圧倒的に早いからだ。さらにお勧めしたいのはカード形状にすること。筆者の観察ではこの手法はカード形状だとより効果的になる。印刷には名刺カード台紙などが便利。それは面倒だがカードは欲しい、という人は筆者のチームが開発した「ブレスター」を入手するという選択肢もある。

 できれば、アイデアは楽しんでゆっくり考えたいもの。しかし、多忙なビジネスシーンでは、発想の仕事すらもガガガッと駆け抜けたい。会議の前だけじゃなく、「よし、外出するまでの20分で企画書のネタ、3つ出すぞ」そんな時にも、これは役に立つので試してほしい。

3行でまとめ

  1. 短時間で48の質問リストを次々見ていく。
  2. 質問を5秒読んで、だめならすぐパス。関係しそうならチェック。どちらの場合もすぐ次へ。
  3. チェックした質問(3〜6個)、でアイデアを出す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ