第2回 習慣化するには“ちゃんとやらない”こと先延ばし撃退Part2(1/2 ページ)

先延ばしを撃退し、何かを習慣化するには、「やらなきゃいけないことを快にする」という手法を紹介しました。さらに踏み込んで、習慣化には“ちゃんとやってはいけない”ことをお話しします。

» 2008年04月14日 14時00分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 エクササイズ、ダイエット、英会話、日記やブログ、読書……。こういったことを続けることを何が苦痛にしているかというと、大きく4つの要因があるのではないかと思います。その4つとは、「ちゃんとやること」「最後までやること」「効果が出るまでやること」「そのために時間をとること」。これをやめれば、苦痛ではなくなるはずです。

 1つ目。その行動をやりたいやり続けたいなら、ちゃんとやらないことです。ちゃんと腹筋50回となると、「今日は50回もできないから、もういいや」となります。ちゃんとブログを書くと決めると、「ちゃんと書けないら嫌だ」となる。英会話だったら、「今日は先生のDVDをちゃんと30分見られないし、テキストもできないから無理だ」「今日は電車で15分しか聞けないから止めておこう」となる。ちゃんとやろうとするとおっくうになったり苦痛になったりして、いつのまにかやらないままになってしまいます。ちゃんとやらないことです。

 2つ目。最後までやらない、または全部やらないことです。「ちゃんとやらない」と少し似ています。

 私は今、58のエクササイズをやっているのですが、58種類全部やる日は、週に1、2回しかありません。でも、全部やろうとして3日やったきり、それ以降3カ月できないのだったら、1日5、6個だけでもいいからやって、続けた方がいいのです。自分はやれるんだ、できるんだと自信が付き、セルフイメージも上がります。そうすると、いい感じのまま無理なく継続できる。ですから、最後までやらない、もしくは全部やらない。

 3つ目。効果が出るまでやらないことです。効果は出ちゃだめなんです。効果が出るまでやろうと思うと、「ああ、今はそこまでの時間が取れない」となります。「英単語を3つ覚えたくらいでなんなの? そんなの役に立たないよ」くらいの分量からでいいんです。大事なのは、苦痛になっていることをニュートラルにすることです。

 「効果は本当に出ているの? 出てないなら、ちゃんとやれよ」となるから、ちゃんとやらなきゃ、と苦痛になるのです。例えば、本を1日1冊読むと決めたら、3日くらいは続くかもしれません。でも、4日目くらいから、込んだ電車の中では迷惑になるとか、家に帰ったら子供と遊ばなきゃとかで、ちゃんと読めない。そのうち読まなくなる。

 そうではなくて、2、3項目、面白そうなところを読んで、1個でも2個でもいい情報があればいいや、くらいでいいんです。買っちゃったけど面白くないな、と思ったら、ザッと流して「ハイ、読んだ」でいいんです。読んだ効果はないですね。でも、セルフイメージが上がります。「オレは毎日、本を読んでいるんだ」「こんなつまらない本でも、さらっと読めるんだ」と、セルフイメージが上がることはとても大事です。

 4つ目。そのために時間を取らないことです。そもそも、なぜ先延ばししているかといったら、その行動自体が快ではなくて苦痛だからですね。するのが嫌なのに、時間を取りなさい、となると、もっと嫌になります。そこで、普通にやっている日常作業と一緒にとか、特に快だからやっているものと同時進行で行動します。

 例えば、先ほどの「58のエクササイズ」の中に、片足で立つというものがあるんですが、私は毎朝、りんごジュースを作っているときに、そのエクササイズをするのです。つまり、そのときはジュースを作るための時間であって、エクササイズのための時間としてはとっていません。だからこそ続けられます。

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