第4回 部下の業績はコントロールできるか?今さら聞けないマネジメント&コーチングの基本(1/4 ページ)

マネージャーにとって気になることの1つは、部下の業績をどうアップさせるかでしょう。果たして部下の業績をコントロールできるのでしょうか? そしてその方法は?

» 2008年03月24日 12時44分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 世の中にはコントロールできることと、できないことがあります。例えば、天気や株価、彼女の機嫌なんかはコントロールできませんね。ほとんどのものはコントロールできません。では、コントロールできるものには、何があるでしょうか。自分の行動はある程度コントロールできますね。何時に寝るか、何件回るか、誰に電話するか、何を言うか、どんな姿勢で接するか、などはコントロールできます。では、営業マンは自分の営業成績をコントロールできるでしょうか。

 できる営業マンほど、自分の営業成績を限りなくコントロールできるようになります。できない営業マンほど、コントロールできません。コントロールできることと、できないことをグラフで表すと、下の図のように表すことができ、できる営業マンほど右側に、できない営業マンほど左側に位置します。

コントロールできること/できないこと

 野球でヒットをコントロールできるかだと、イチローのような有能なプレイヤーは右側に位置し、限りなくコントロールできるほうに近づきます。普通の人はだいぶ左に寄ります。では、部下の業績はコントロールできるでしょうか、できないでしょうか。

 一般論でいうと、部下の業績は左寄りのコントロールできないほうに位置します。全くコントロールできないわけではありませんが、自分の業績のようにはコントロールできません。すると、自分の業績はいいけれど、チームとしての業績が上がらない。「あの人は自分では売れるけれど、マネージャーとしてはダメだよね」というわけです。

 するとどうするかというと、自分で数字を取ろうとします。「チームの業績の7〜8割はオレがとった。オレがみんなを食べさせてやっている」というような感じです。しかし、そんな誇りを持たれていても、会社としてはよろしくありません。その人が辞めたり、ほかの会社に引き抜かれたりしたら終わりです。確かにマネージャーがいっぱい稼いでくれるのもいいけれど、部下が育たないと先行きが不安です。

 なんとか、部下をコントロールして業績を上げなくてはいけません。どうするか。実は、100%コントロールできる位置と、100%コントロールできない位置の間に、影響を与えられる領域があります。

コントロールできること/できないこと

 通常、部下の業績は限りなくコントロールできない位置に近いけれど、影響を与えられる領域に引っ張っていって、可能な限り右側のコントロールできる位置にもっていきたいわけです。

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