第18回 コンサルタントがプロジェクトに臨むときの7つのロール(役割)リストのチカラ

あなたの役割は何ですか? そして状況やタイミングに応じて、その役割を柔軟に演じ分けることができるでしょうか。

» 2008年03月10日 11時45分 公開
[堀内浩二,ITmedia]
SEからコンサルタントになる方法
(北添裕己 日本実業出版社 2008年)より

【ジャッジ】第3者的に正論を展開し続け、マネジメント業務や体制に警鐘を鳴らす。

【アバター】PMが理想としているハイレベルな役割を代わりに演じ切る。

【クローン】PMのコピーとして、PMのいない場面でPM同様に振る舞う。

【エージェント】PMの代わりに現場に降臨し、意思決定やチームマネジメントを支援する。

【エネミー】反面教師として振る舞い、仮想敵として周囲の不満の捌(は)け口となる。

【サポーター】常にPMの希望通りに言動する。

【セクレタリ】PMの手の届かない部分に配慮し、すき間を埋めていく。

※(注:PMはプロジェクトマネジャーの略)

 「私はコンサルタントじゃないから関係ない」と思う方もいるかもしれません。しかし、ここで注目していただきたいのは、このように自分のロール(役割)を定義して、それを演じ分けよう(モードチェンジしよう)という発想です。

 会議などでは、「あえて意地悪な質問をするけど……」「思いつきで恐縮ですが……」と前置きをした上で、いろいろな角度から検討することがあります。これもモードチェンジの身近な例といえるでしょう。

 会議におけるモードチェンジといえば、「6つの帽子」に言及しないわけにはいきません。エドワード・デボーノは、著書『会議が変わる6つの帽子』で、会議のメンバーが合わせてモードチェンジできるように、6つの役割を6色の帽子として定義しています。

  • 冷静に事実とデータだけを見つめる科学者の「白い帽子」
  • 自分の感情に素直な発言をし、理屈に頼らない、情熱の「赤い帽子」
  • ものごとの良い面だけを見つめる、ポジティブな陽光「黄色い帽子」
  • 危険性に目を向け、常に警戒する「黒い帽子」
  • 水平思考、創造思考で新たな筋道を提示する「緑の帽子」
  • ほかの帽子を統制し、会議の流れ自体を見つめる「青い帽子」

 組織人であれば、仕事として「何をするか」は組織によって定義されます。しかしその仕事を「どうこなすか」は、個人に任されています。自分の果たし得る役割をよく考えておき、うまくモードチェンジできれば、仕事のこなし方に幅が出そうですね。

*ListFreakというサイトについて

 本文中、*ListFreak(リストフリーク)というサイトに触れている部分があります。*ListFreakは2005年11月に開設したリスト収集・共有・活用サイトです。

 *ListFreak - 世の中の知恵やコツを「リスト」で共有するサイト


筆者:堀内 浩二

株式会社アーキット代表、グロービス経営大学院客員准教授。「個が立つ社会」をキーワードに、個人の意志決定力を強化する研修・教育事業に注力している。起-動線など複数のサイトを運営。ネットメディアへの寄稿も多い。外資系コンサルティング企業時代にシリコンバレー勤務を経験。


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