ハガキはスキャンして遊ぶ文具王の「B-Hacks!」

手紙が不定型なのに対し、ハガキは基本的に定型サイズなので、別のルールで保管している。最近は保管後が面白い。ScanSnapやiPod touchを使って“遊べる”のである。

» 2008年03月07日 16時00分 公開
[高畑正幸,ITmedia]

 前回手紙の標本化について書いたが、今回はハガキの話。

15年以上の試行錯誤に末に……

 手紙が不定型なのに対し、ハガキは基本的に定型サイズなので、別のルールで保管している。ここでいうハガキというのは、基本的に100×148ミリの官製ハガキ(今はなんと呼べばいいのか?)サイズか、それに限りなく近い物だけを指す。例えば海外からの絵ハガキなどで、縦長だったり、ちょっと大きかったりするものは手紙と同じ扱いとし、前回の手紙ファイルに綴じる(ハガキは基本的に両面が重要なので、一辺だけをテープやステープラで留めたり、透明ポケットのリフィルを使用したりしているが、……これには困っている)。

筆者の場合は、情報カード整理用の引き出しに収納している

 要するに筆者が持っているハガキ収納用の箱(筆者の場合は、情報カード整理用の引き出しだが)に収まるものだけを定型とし、以下のルールを適用する。もちろん量が少ないなら1シートに4枚収納のルーズリーフタイプの透明ポケットに入れて前回のファイルシステムに統合すればよいのだが、年賀状がかなりの枚数になることと、ハガキだけは定型サイズなので別枠にしているのだ。

 ハガキ専用のファイルもさまざまなものが市販されていて以前はそれで整理していたが、ページ固定式のハガキ用ファイルは、20枚、40枚、80枚という段階的な収容枚数なので、年賀状などを年ごとに収納しようとすると、どうしたってページがハンパに余る。ファイルの収容枚数を何枚か超えてしまった時や追加購入しようとしたら、そのファイルが廃番になっていた時など、本当に怒りのやり場がない。

 かといってリフィル式のものなら良いかというと、そうでもない。前回と同一のバインダーに収納できるのは大きなメリットだが、意外にかさ張る(実際にやってみると、固定式の専用ファイルの方がずっと薄い)。しかもリフィルがあまり一般的でなくページ単価が高い上に、買い置きを切らすとすごく面倒な気分になる。そして最大の問題は、圧倒的に収納効率が悪い点である。それらの立派なファイルに収まるハガキだが、ただ積み重ねて輪ゴムで束ねてみると、あっけないほど少なく見える。――と、これまた15年以上もいろいろやったあげくに、結局日付順に並べて箱に入れるのが一番省スペースで収まりが良いという結果に落ち着いたわけだ。

読み返し用の最強ツール

 ただ、これだけだと、読み返すことが無くなってしまう。それではもったいないので、これらは箱に入れる前にまず、PFUのScanSnap(両面連続読み取りが出来る超便利スキャナだ! これについてはいずれ書こう)でまとめて高速両面スキャンし、デジタル化する。オリジナルは日付順にその引き出しに立てて収納。年賀状も同様の方法でスキャンする。スキャンしたものは写真整理用のソフトでプレビューすれば、一覧性抜群。もともとすべて同じ形だから、デジタル化したときも大変見やすい。

サムネイルを印刷したところ。分かりやすい

 そして、この画面をサムネイルプリントして例の手紙ファイルに差し込んでおく。1枚のシートに4×4でプリントすれば、1面当たり8枚分の両面情報が一覧できる。これは面積や厚みが節約できるだけでなく、表裏の情報が一度に見られるのでとても便利だ。年賀状の場合、このサムネイルは翌年の年賀状作成時にはチェックリストとしても機能する(Macユーザーなら「iPhoto」でも良いし、サムネイルを印刷したい場合はマイクロソフトの「Expression Media」もオススメ)。

 以前はここでおしまいだったが、最近はさらにこれをiPod touchに転送している。もらったハガキをいつでも一覧表示できるし、拡大してみることもできる。iPod touchは解像度がそれほど高くはないのでA4書類を取り込んでもほとんど読めないが、ハガキならたいていは差出人の住所もちゃんと読める。これはかなり良い感じだ。特に年賀状などは枚数も多いが、手でめくる感覚はほかのビュワーにはない面白さがある。

 いつも持ち歩くiPod touchに保存することの最大の利点は、すぐに見られるところに置いておくこと。この意味は非常に大きいと思っている。それにしてもあまりにピッタリとハマる大きさなので、ハガキを送ってくれた本人に会ったときに、お礼を言いながらスキャンした画像を見せると、必ず笑ってくれる。変な形だが面白いコミュニケーションの材料にもなったりしているのである。


 まあ、ハガキの収納方法についても前回同様、完璧だとは思っていないし、もともとなにかはっきりとした利益のためにやってるわけではないので、明確なゴールはない。筆者としては、整理ができて、楽しめる方法なら何でもアリだ。まだまだ色々試してみたいと思っている。もっと良い方法をご存知の方は教えていただけると幸いである。

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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