ヤフーの提供するWebメールサービス「Yahoo!メール」がローカルのメールソフトのようなインタフェースにリニューアルする。同じ画面内にタブを設け、切り替えられることが特徴だ。2月20日にβ版の事前申し込みを開始し、先着20万人を受け付ける。
ヤフーの提供するWebメールサービス「Yahoo!メール」がローカルのメールソフトのようなインタフェースにリニューアルする。まずはβ版として2月20日から事前申し込みを開始。先着順に20万人のユーザーに対して、新インタフェースを試してもらう。2008年秋には人数制限をなくして提供する予定だ。
申し込みは同社Webページから。申し込みから1週間程度で利用できるようになるという。Windows Vista/XP、Mac OS Xに対応。Internet Explorer 6.0以上、Firefox 2.0以上のブラウザをサポートする。利用にはFlash Player 9.0.28以上が必要だ。
今回のリニューアルは主にインタフェースに関するもの。画面遷移を伴ういわゆるWebメール的なインタフェースから、Flashを利用し、メールソフトのようなインタフェースに変更する。いわばOutlookやThunderbirdのような見た目になるのだ。
特徴的なのは、同じ画面内にタブを設け、切り替えられるインタフェースを採用したこと。メールの作成や閲覧する時にタブで開き、タブを切り替えることで複数のメールを作成したり、閲覧したりできる。
画面は初期状態で3ペイン。左側にフォルダをツリー状に表示し、右側上部にメールを一覧表示、右側下部では一覧表示で選択したメールのプレビューを確認できる。ドラッグ&ドロップでメールを移動したり、フォルダ内の全メールを選択して処理することもできるようになる。5分おきの自動受信機能も備えた。
このほか、キーボード操作だけでメールの作成や送受信ができるショートカット機能や、メールアドレスを途中まで入力すると補完するオートコンプリート機能なども備えている。
なお、メール受信容量(通常版1Gバイト)、送受信の添付ファイル容量(20Mバイト)など、インタフェース以外の部分ではこれまでと変更はない。また、新インタフェースを選択した後でも随時旧インタフェースに復帰できるようになっている。
Gmail以降、WebメールのインタフェースにAjaxやFlashが利用されることが増えた。米Yahoo!でも2005年9月に米国版「Yahoo! Mail」のインタフェースをOutlookのようなメールソフトライクに変更したβ版を提供。2008年1月の2008 International CESでは、Yahoo!だけでなくMySpaceやLinkedInといったSNSと連携するような次世代Yahoo! Mailをプレビューしている。
今回のリニューアルは米国の動きに日本側も追随した形だが、米国版がJavaScriptベースのインタフェースなのに対して日本版はFlashベースだったりと、異なる点も少なくない。
ヤフーの小南晃雅氏(ソーシャルネット事業部企画部)は、「基幹部分は米国版も日本語版も同じ。JavaScriptではなくFlashで独自開発したのは、JavaScriptは通信(ポーリング)や描画の面で速度が遅いからだ」という。また、インタフェースを独自開発することで、米国の影響下からある程度離れることができ、国内ユーザーからの要望にも応じやすくなるわけだ。
Yahoo!メールを毎月利用するユーザーは、Yahoo!JAPAN IDベースで1500万以上。国内最大のWebメールサービスだ。Yahoo!JAPAN IDのアクティブユーザーが月間2200万IDであることから、約7割のYahoo!JAPAN IDユーザーがYahoo!メールを利用している計算になる。
そんなユーザーが慣れ親しんでいるのは、GmailのようなWebメールサービスではなく、Outlookのようなメールソフト。ヤフーでは、今回のリニューアルによって新規ユーザーの獲得を見込むほか、既存顧客の満足度向上、Yahoo!JAPANのほかのサービスとの連携を狙う。
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