続いて「みんなの青色申告9」だ。最初は家事関連費の案分を行う。決算タブの家事関連費計算表をクリックすると、入力されたすべての勘定科目が表示される。案分する行をダブルクリックし家計比率にパーセントを入力する。案分が必要な科目すべての家計比率を入力したら[仕訳]をクリックする。自動的に年度末に家事分が事業主貸として記載される。日付に**/**と表示されるのは年の末尾の意味だ。
次に管理タブの[減価償却資産登録]をクリック。画面が切り替わったら[新規]をクリックすると登録画面が立ち上がる。ノートPCの場合、資産区分は「器具備品」、勘定科目は「工具・備品」を選択する。償却方法のプルダウンメニューを見ると旧定額法、定額法が選択肢に記載されている。試しに3月購入で定額法を選択してみたら、旧定額法を指定せよとエラーメッセージが表示された。「やよいの青色申告08」は自動的に判断してくれたが、「みんなの青色申告9」では自分で旧定額法か定額法を判断して選択する必要がある。
今回も「少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例制度」を選択しようと思った。しかしプルダウンメニューに一括償却はあるが、即時償却の項目がない。かなり悩んだが、ユーザー登録した人だけアクセスすることができる「解決ナビ」に「減価償却資産(即時償却)を登録する方法」が掲載されていた。
「みんなの青色申告9」の即時償却の処理方法はかなり複雑というか、裏技的な手法で登録する必要がある。償却方法は一括償却を選択する。普通償却額に所得価額を同じ15万円を手入力し[登録]をクリックする。
すべての資産の登録が終わったら管理タブの[減価償却仕訳転送]を選択し、仕訳転送タブの[一括償却資産の仕訳を生成する][新規取得][減価償却費]にチェックマークを付ける。勘定科目設定タブに移り一括償却資産の新規取得時の支払科目を設定する(事例では普通預金−IT銀行)。これで[転送開始]をクリックすると購入時の仕訳伝票と決算時の減価償却の伝票が記入される。
「やよいの青色申告08」では[簡単取引入力]で資産取得時の伝票入力を行ったが、「みんなの青色申告9」では資産の新規取得と減価償却の仕訳を転送時に同時に行うことができる。転送が完了すれば、固定資産の登録、減価償却のすべての作業は終了する。
決算書作成の前段階として決算タブの[青色申告入力(一般)]を開いて住所氏名、地代家賃の内訳などの入力を行う。これで決算書の準備は完了だ。決算タブの[青色申告決算書]を開いて[印刷]をクリックすれば決算書が印刷される。
最後は確定申告書の作成だ。ソリマチでは「みんなの青色申告9」と別に「みんなの確定申告」が用意されている。「みんなの青色申告9」のユーザー登録を行うとメーカーサイトから無償ダウンロードすることができる。「みんなの確定申告」がインストールしてあれば、決算タブの[所得税確定申告]をクリックすると「みんなの確定申告」が連動して立ち上がる。
[導入]−[申告者設定]で住所、氏名、屋号などの基本情報を記入する。[申告書]−[申告書B(第一表)]をクリックして[データ取込]を行うと収入、所得が取り込まれる。この後は各種控除の金額のセルをダブルクリックすると入力画面が立ち上がる。
医療費控除は直接結果を数値入力するのではなく、家族全員の医療費を入力すると「医療費の証明書」まで印刷することができる。結果が自動集計されて確定申告書に取り込まれる。
引き続き社会保険、生命保険、配偶者控除などを入力する。源泉徴収税額と、還付を受け取る口座を入力して印刷すれば完成だ。
減価償却の即時償却の処理方法が複雑だが、それ以外は特に問題ないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.