iTunesのような個人データベース“Bento”とは何か?

機能を絞り、Leopardの標準アプリケーションとの連携を重視。データベースの概念を知る必要なく、利用できるパーソナルデータベース“Bento”が登場する。

» 2007年11月14日 22時45分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 FileMakerが11月14日に発表したパーソナルデータベース「Bento」。これは、まるで「iTunes」で楽曲を管理するように、友人のアドレスや予定、各種のファイルなどを管理できる個人向けデータベースだ。

 イベントやパーティの参加者リスト、プロジェクトのトラッキング、ToDoリスト、在庫目録、音楽や映画などのライブラリ……。こうした個人で利用するデータベースを簡単に作ることができる。ここで言う“簡単”とは、iLifeやiWorkを使うのと同じレベルの簡単だ。データベースの概念を理解する必要なく、容易にデータベースを構築できる。

アドレスブックとiCalからデータ取得

 データベースの作り方は“iTunes的”と表現すると分かりやすいかもしれない。例えば、Bentoは起動するとアドレスブックとiCalからデータを取り込み、自由に加工できるようになる。

 例えばiTunesでプレイリストを作成するように、いくつかのデータをまとめて「コレクション」を作ることができるし、“住所が東京を含み、メールアドレスがITmediaドメインの人”というように条件を設定してあげれば、iTunesのスマートプレイリストのようにスマートコレクションも作成できる。

 Bento上には右上に検索ボックスが表示され、iTunesと同じように検索が可能だ。またカラムをクリックすると、そのカラム内容に従って並べ替えられるあたりも直感的な動作になっている。

 20種類以上のフォームが用意され、Keynoteなどと同様に、テーマを選ぶだけで外観が調整される。カード形式表示の各項目は、ドラッグ&ドロップするだけで配置でき、既に配置されている部品も、自動的に再配置されるという凝りようだ。

 iLifeとiWorkに欠けていたパーソナルデータベース。それを補完するのがBentoとなる。

Bentoができないこと、目指さないこと

 シンプルで簡単に使える一方では、敢えてできないこと、目指さないことも数多い。

 例えば、ネットワークで共有するデータベースではないし、スクリプトも動作しない。あくまでパーソナルであり、マウスで選んでいくだけでデータベースができあがる簡便さを最重視した。

 密接にLeopardに依存しているので、Windows版も現状は想定していない。データベースの構造も新規であり、FileMakerへのアップグレードや、FileMakerデータベースの読み込みも行えない。データの出し入れは、基本的にはCSV形式だけだ。

 機能を絞り、あくまでパーソナルなデータベースを目指したBento。今後の機能強化として有力なのは、アドレスブック、iCalなどの標準ソフトからのデータ読み込みを強化し、iTunesやiPhotoなどのデータもBentoからアクセスできるようになることだろう。

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