同期をかためる、6つの方法樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

同期から「人脈ネットワーク」を確保せよ――。会社で、上司や後輩など部下との間では不可能な親しい人間関係も構築できるのが同期入社の仲間。この仲間との関係を充実させるための方法を紹介しよう

» 2007年11月09日 17時30分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 同期の仲間を活用するところから「人脈ネットワーク」を確保せよ――。いつも研修で話していることだが、同期ほど大切な人間関係の核心をなすものはない。

 同期の仲間は、入社して以来さまざまな研修を一緒に受けながら、悲喜こもごもの社会体験を積み上げていく。まさに“同じ釜の飯”を食いながら未来を語ることができるのは、会社の中ではやはり同期。それに同期同士であれば、全く敬称をつけないで呼びあえることもあり、上司や後輩など部下との間では不可能な親しい人間関係も構築できるのだ。

 この同期の中に、強力なネットワークを作ってはどうか、と言うのが今回の提案。何か必要となった時、「ああ彼か、彼は同期です。彼なら私から頼んでみます」とか「その部署には、よく知っている同期がいますから、彼に聞いて調べてみましょう」、と上司に言うこともできる。「そうか。ぜひとも頼むよ」と、上司に貸しを作ることもできるわけだ。そこで、同期をかためるための6つの方法を紹介しよう。

No. 方法 説明
1 中心になるメンバー会を発足させる まずは同期の集まりに名称を付けることだ。名前をつけることで対象がはっきりするし、愛着もわく。2007年(平成19年)であれば、19を取って“一句会”のような会合を作るのだ。名前は何でも構わない。年数の連想を離れたものでもいいだろう。
2 幹事役を複数決める 事務方を決めないと、だらだらとした会合になってしまう。同期の人数にもよるが、10名を超える同期の社員がいるなら、2名程度を決めて年次毎に交代することがよいだろう。1人に任せると、その幹事が転職してしまったりした場合、継続が困難になる可能性もあるからだ。
3 “総会”を年に2回程度開く 会合を活性化するには、形式的であっても定期的に現実の世界で会うほうがいい。人数が少なければ、四半期に1度ずつ総会を開くとよいだろう。昼食会でも構わないし、弁当を持ち込んで社内会議室で会合しても楽しい。
4 会員のコミュニティをネット上に作る 忙しくて会合に参加するのが難しい会員も“参加している感”を保てるように、会員がアクセスできるコミュニティをネット上に立ち上げよう。社内SNSのような社内システムでもいいし、mixiのような一般的なSNS内のコミュニティでもいい。
5 会員の名簿をネットワーク上に作る せっかく会社の同期とのヒューマンコミュニケーションを強化するのであれば、直接会話できたり、集まったりできるように、お互いの連絡先などを会員限定で確認できるようにしておきたい。
6 勉強会や研究会を実施する 社内の専門家を講師に招聘し、勉強会や研究会を実施する。

 1〜5だけでもかなりの親睦が図れるが、オススメは6の勉強会/研修会。同期の中に、財務関係の者がいれば、四半期毎に自社の財務経営状況を、同期の前で説明をさせるだけでも、非常に有効な知識を得ることができる。

 まずは、社内でのメールのやりとりに加えて、個人のメールアドレスを積極的に交換しよう。メーリングリストを使って、通し番号を付けておくと“継続の証”も取れて続ける励みになるかもしれない。


 こうしたつながりが、案外と大きなパワーになる。もちろん同期は単なる仲良しグループではなく、お互いに切磋琢磨する競争相手でもあるが、何もしなければ、深い信頼関係にならないまま年月が過ぎていく。そのうち、退社するものや遠くに転勤するものも出てくる。同期の名前が出たときに「名前は知ってるけど、どんなやつだったっけ?」では寂しいものだ。

今回の教訓

退職した人も入れてあげて>同期会


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

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 1946 年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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