残したメモを無駄にしないためには?【解決編】シゴトハック研究所

いろいろなところにメモを取った結果、あとで見つからなくて困ったことはないですか。重要なのはメモを一元化すること。そのためのツールとして、オンラインサービスの「Femo」を紹介します。

» 2007年11月02日 22時51分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 残したメモを無駄にしないためには?

 コツ:オンラインに一元化して後で読み返す仕組みを作る


 分かっていてもなかなかできないことの1つに、メモの一元化があります。例えば、電車での移動中や退屈な会議中などに、ふと思いついたちょっとしたアイデア、あなたはどうしていますか?

 電車の中であれば携帯電話を使って自分宛てのメールでメモをする、という方法が考えられます。この方法であれば、混雑した車内であっても片手でできるでしょう。しかも、日時も併せて記録されますし、電子データになりますからあとから検索する上でも好都合です。

 退屈な会議中はどうでしょう。自分のノートPCを持ち込めるような会議であれば、使い慣れたメモソフトを使えるので問題ありませんが、そうでない場合は、紙とペンを使うことになります。手帳やノート、あるいはロディアなどのメモ帳を使うことになりますが、持ち合わせがなければ、手元にある配付資料の余白や裏面に書くことになるでしょう。

 PDAを使うという手もありますが、紙とペンを使うことに比べて目立ちますので、状況によっては難しい場合もありそうです。

 以上、電車の中と会議中という2つのシチュエーションにおける複数のメモ手段を見てきました。いずれも思いついたアイデアを“捕獲する”という第1ステップはクリアできていることが分かります。でも、捕獲したアイデアを活用するという第2ステップについては解決すべき課題があります。すなわち、あちこちにメモが散逸しているために、

  • 確かどこかに書いたはずなんだけど、どこに行ったかな……?

 という「メモを探す時間」を発生させてしまうのです。これを防ぐ唯一の手段がメモの一元化です。とはいえ、アイデアは足が速いために、まずは捕獲することが優先されがちです。つまり、あとから活用しやすいかどうかという視点は後回しにされやすいのです。

 今回はこの課題について考えてみます。

徹底した一元化と定期的な振り返り

 メモを一元化することで、探す時間を最小限に抑えられるというメリットが得られます。メモは自分で決めた特定の場所にしかないために、そこを探して見つからなければ「ない」と断言できるのです。

 一元化していない場合は「どこか別の場所にあるのではないか?」という疑念がつきまといます。その疑念が晴れるまで、「探すモード」から抜け出せなくなるわけです。

 また、あとから活用しやすくするためには、どんなメモをストックしているのかをざっくりとでもいいので把握しておく必要があります。これは、冷蔵庫に新鮮な野菜をストックする時の状況に似ています。安いからといって、あるいはおいしそうだからといって、手当たり次第に買ってきて冷蔵庫に詰め込んでいっては、何をいつ使うかという見通しがつきづらくなり、一部の野菜は賞味期限切れとなって、結局無駄になってしまうでしょう。

 これを防ぐためには、把握しきれる程度の量にストックを抑えるか、賞味期限の近いものだけを取り出せるような仕組みを活用することです。そのためには、定期的に“棚卸”をする必要が出てきます。

「Femo」を使う

 徹底した一元化と定期的な振り返りの2つを実現するためのツールとして、筆者が最近使い始めたのが、FemoというWebサイトです。まだβ版ですが、次のような特徴があります。

  1. 基本は非公開(プライベート)メモとして使える(メモごとに公開・非公開を選べる)
  2. タグを利用してメモを用途別や内容別に分類できる
  3. ショートカットキーが豊富に用意されている
  4. メモのタイトルをクリックするだけでメモの本文を編集できる
  5. カレンダーの日付をクリックするだけで日別でメモの整理ができる

 情報収集の過程で、携帯電話のメールや手元にあった紙を使ったとしても、最終的にFemoに集めるようにすることで、メモの一元化が図れます。もちろん、最初は面倒に感じられるかもしれませんが、一元化の努力を通して、「ここになければほかにはない」という感覚を味わうことができれば、それが当たり前になるはずです。

 また、タグを活用することで、特定テーマのメモだけを抽出して表示できるようになるため、たくさんのメモがあっても、見通しがつきにくくなることは少ないでしょう。

 さて、これらの特徴を見て、すぐに「Wikiに似ている」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、Wikiに近いのですが、4と5の特徴がFemoをFemoたらしめています。これらについては、次回に詳しく見ていきます。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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