写真で見るコクヨデザインアワード2007――「紙キレ」など全11受賞作品

コクヨは、「コクヨデザインアワード2007」のグランプリ「紙キレ」を含む全11作品の画像を公開した。

» 2007年10月29日 17時35分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 コクヨは、「コクヨデザインアワード2007」のグランプリ「紙キレ」を含む全11作品の画像を公開した。

 2002年に始まったコクヨデザインアワードは2007年で6回目を迎えた。テーマは「融通のきくもの」。「いろいろな人に使える」「時を選ばない」「これ1つで足りる」など、柔軟で許容範囲の広いアイデアを募集し、4月1日から6月30日にかけて国内外から合計1723点(国内1579点、海外144点)の応募があった。審査員長は工業デザイナーの山中俊治氏。佐藤オオキ氏、柴田文江氏、水野学氏に加え、コクヨの黒田章裕社長が審査員を務めた。

 アワードは、第1次の書類審査の後、任意に提出されたモックアップなどを審査する第2次審査を経て決定。「商品化の実現性を重視した」(コクヨ)という2007年の受賞作品は一部をのぞき、クリエイターらの手作りのモックアップが集まった。

グランプリ「紙キレ」

グランプリの「紙キレ」は、その名のとおり“紙”である。一見、普通の方眼紙だが、レーザー加工によって方眼状にミシン目を入れた。ミシン目があるにも関わらず、ペンを滑らかに走らせることができるのが特徴だ。制作費はA4用紙1枚で1200円に達したという。美しい紙、きれいな紙=「紙キレ」というわけだ。

優秀賞の5作品、うちクリップが3作品

「yajirushi」。街中でよく見る矢印のアイコンを文具のモチーフにした。キャップの矢の部分が「マキビシみたいで危ない(苦笑)」(審査員の水野氏)という指摘もあったとか
「tuck」。ありそうでなかった「安全ピン」と「ゼムグリップ」との融合。「デザインも美しい」(柴田氏)と評価された

「Beetle head」。ペン先をカブト虫の角のようにデザイン。太さの異なるペン先を1本のペンで利用できる機能性も兼ねている
「number clip」(左)「Numbers Gem」(右)。0から9までの数字をかたどるというアイデアが同じだったため、同時受賞となった。書類を留める機能のほか、日付や番号の目印にもなる

審査員各賞は絵筆、輪ゴム、ロール型付せん、リバーシブル定規など

山中俊治賞は「cashier tray」。支払いの時などその場で計算・集金できるように電卓を内蔵した。作者の斉藤ダイスケ氏もフリーマーケットなどで利用しているという
佐藤オオキ賞の「Silhouette」(シルエット)。筆先と同じ形状を柄にもデザインした絵筆。水にひたした状態でも筆を見分けられる。この作品だけはパネル展示。実物ではない。

柴田文江賞「wagomu」。輪ゴムを筒状に束ねた作品。バラバラになりがちな輪ゴムを整理整頓。好きな厚みにも切り取れる
水野学賞「コトハリ」。原稿用紙の1行を付せんにした、といえば理解できるだろうか。原稿用紙のます目が利用者に「書く気にさせる」(作者の志喜屋徹氏)という

コクヨ賞の「Double Faces」。中国からの応募だ。漢数字の偶数が左右対称であることに着目してデザインしたリバーシブル定規。コクヨの黒田社長も「漢字文化圏ならでは」と感嘆

 コクヨではいずれも製品化に向けて検討したいとしている。


作品名 概要 受賞者・グループ名
紙キレ グランプリ 方眼の目に合わせてミシン目が入った用紙。自分の工夫次第で好きなところを折ったり好きなサイズに切り取れる。 三人一組
yajirushi 優秀賞 矢印のペン先を立体的にデザイン。指示棒やマグネット、ペーパーウェイトとしても使える。 大木陽平氏
tuck 安全ピンとゼムグリップとを融合した作品。 山口智宏氏
Beetle head ペン先の形状がカブト虫の角のように2マタに別れているペン。それぞれ断面の大きさが異なるため、用途によって使い分けできる。 Park_misaki氏
number clip
Numbers Gem
0から9までの数字をかたどったゼムクリップ。書類を留める機能の他、日付や番号として目印にできる。 乙部博則氏
金子久秀氏
cashier tray 山中俊治賞 電卓が組み込まれたトレイ。支払いの時などその場で計算・集金が可能。 斉藤ダイスケ氏
Silhouette 佐藤オオキ賞 筆先と同じ形状を柄にもデザインした絵筆。水にひたした状態でも筆の種類を見分けることが可能。 DeMo
wagomu 柴田文江賞 輪ゴムを筒状に束ねた作品。バラバラになりがちな輪ゴムを、整理整頓できる。好きな厚みに切り取れる設計にもなっている。 宮脇将志氏
コトハリ 水野学賞 原稿用紙のデザインを取り込んだロール型の付せん。ます目に合わせて書くことで文字数や内容が分かりやすい。 志喜屋徹氏
Double Faces コクヨ賞 漢数字の偶数が左右対称であることに着目してデザインした定規。裏から見ても使えるリバーシブル仕様。 Xu Han Rui氏

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