ネットの情報を有効に活用するには?【解決編】シゴトハック研究所

あふれるブックマークをうまく管理する方法の1つが、おなじみのメールソフトの活用です。しかし、それを見ずに自動振り分けしているようなら、別の方法を取ってみましょう。

» 2007年10月26日 19時29分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 ネットの情報を有効に活用するには?

 コツ:1つのメールソフトをネット情報専用ツールにする


 インターネットの登場で、仕事においても生活においても、情報収集が飛躍的に容易になったことは確かでしょう。このように、ネットにある膨大な情報を簡単に手に入れることができるようになった一方で、集めた情報を目的に応じて整理したり活用したりすることが相対的に難しくなっているという側面もあります。

 例えば、Webブラウザの「お気に入り」やソーシャルブックマークを活用している人は少なくないものの、URLをとりあえずクリップするだけで、後から見直すことがほとんどない(あるいは全くない)という声もよく聞きます。特にソーシャルブックマークでは、「クリップした記事を読み返す」という習慣とワンセットで継続しなければ、記事は溜まるばかりになってしまいます。そして「あとで読む時間はないけど、とりあえず」という“開き直りブックマーク”をするようになり、やがてはこの習慣は形骸化・無意味化してしまうでしょう。

 せっかく集めた情報も活用されなければ、集めるのに費やした手間と時間が無駄になってしまいます。これを防ぐためにはどうすればいいでしょうか。

「あとで読む」でメールする

 結論から先にいえば、ある程度はツールを駆使することで解決することができます。以前、本連載でもご紹介した「あとで読む」はそういったツールのうちの1つです(2月16日の記事参照)。つまり、気になったWebページをHTMLメールとして“取り寄せる”わけです。

 この方法は、Webブラウザの「お気に入り」やソーシャルブックマークと何ら変わりがないように思えるかもしれませんが、「お気に入り」やソーシャルブックマークに登録した情報に比べると、メールとして届いた情報は、メールをチェックする限りは必ず目にすることになるという意味で、「あとで」読まれる可能性が高まります。

1つのメールソフトをネット情報専用ツールにする

 とはいえ、この方法ではメールソフトに届く情報をいたずらに増やしてしまうという問題が発生します。ただでさえメールが多くなる昨今ですから、「あとで読む」で届いたメールは、真っ先に後回しにされがちです。

 こうした受信トレイの“混雑”を緩和するために、自動振り分けの設定で、受信トレイを経由せずに特定のフォルダに振り分けられたり、Gmailであれば受信と同時にアーカイブされたり──といった処置が講じられることもあるでしょう。でもこれは末期症状であり、ここまで来ると、もはやメールで受信する意味が失われているといえます。メールチェックをしても目に入らなくなってしまうからです。

 そこで、「あとで読む」で届けられる情報を読むための専門のメールソフトを1つ用意します。メールソフトであれば何でもいいのですが、Thunderbird 2が、この目的では使いやすいでしょう。

 なぜなら、このメールソフトでは事実上無限の「タグ」をメールに付けられるからです。タグを使うことで、届いたメールを複数の視点で仕分けることができ、情報の整理と再利用という目的にかなった使い方ができます。

 このように、Thunderbird 2を情報整理専用ソフトと決めてしまえば、「お気に入り」を肥大化させたり、読み返さないソーシャルブックマークを使い続けたりという、あまり望ましくない活動から解放されるはずです。また、「あとで読む」を使うことで発生しがちな、受信トレイを膨大なメールであふれさせることも避けられるでしょう。

 次回は、「あとで読み返す仕組み」について引き続き考えていきます。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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