自分も苦労しているならほかの人も苦労しているはず──CSSEZ・クボケーさん田口元の「ひとりで作るネットサービス」探訪(1/2 ページ)

ブラウザ上でブログのデザインを作成し、利用したりほかの人と共有できるサービス「CSSEZ」。これを1人で作り上げたのは、プログラミング歴1年のクボケーさんだ。

» 2007年09月03日 12時35分 公開
[田口元,ITmedia]

 「ひとりでつくるネットサービス」第15回は、ブラウザ上でブログのデザインを作成、そのままダウンロードしたり、ほかの人と共有することができるツール、「CSSEZ」を作成したクボケーさん(22)にお話を伺った。プログラミング歴1年未満の彼が、このような便利ツールを作るに至るまでにはどういった苦労、工夫があったのだろうか。

プログラミング歴1年にして、1カ月半でサービスリリース

 「ほかの教科はまずまず得意だったのですが、美術だけはどうも苦手で……。5段階評価で2とか3でしたね」高校卒業後、米国に渡り、現在はミネソタ州のカールトン大学に通うクボケーさんはそう話す。

 プログラミングを学習するかたわら、サイトをいくつか作ってみたが、デザインだけが苦痛で仕方なかった。そこで「自分も苦労しているならほかの人も苦労しているはずだ」と考えていた。

 一方で、よく見ているブログでは「ブログテンプレートを作るジェネレータ」などが取り上げられていた。そうしたジェネレータを作れば普段自分が見ているブログでも取り上げられるのではないか、とも思った。

 それからの行動は早かった。大学の夏休みを利用して帰国していたクボケーさんは、1カ月半でCSSEZを作り上げる。リリース後は有名ブログにプレスリリースを送り、はてなブックマークでも700を超えるブックマークを集めた。

 そうはいっても、CSSEZをリリースした時点でクボケーさんのプログラミング歴は1年にも満たなかった。彼がここまでのスピードで、CSSEZのようなサービスをたった1人でリリースするに至るまでの過程はどのようなものだったのだろうか。

「せっかくなので長崎のSNSを作ろう」──OpenPNEから始まった開発

 「うちの両親はどちらかというと保守的で……。長崎という地方に住んでいるということもあり、PCやインターネットはなんだか怖いもの──というイメージがありました。」。そんな理由で家にPCがなかったクボケーさんは、高校卒業後、アルバイトをしてお金を貯め、初めて自分だけのPCを購入する。

 「アメリカの大学に行きたい!」と思っていたクボケーさん。最初にPCを活用したのは、インターネットを使って海外の大学の情報を調べることだった。受験はどうしたらいいのか、どういう試験を受けたらいいのか──。そうした情報を調べ上げ、見事にミネソタ州の大学に合格する。

 大学に合格するとすぐにメールアドレスが配られた。そして、そのメールアドレスを使って当時話題だったソーシャルネットワークサービス「Facebook」に登録。すぐに同じ大学者の合格者とネットワークを作り、コミュニティに参加しながら将来のクラスメートと交流を深めていった。

 ソーシャルネットワーキングにのめりこんでいったクボケーさんが、その頃出会ったのが「OpenPNE」だった。これを使えば自分でもソーシャルネットワーキングのサイトを作れることを知った。「ただ、OpenPNEを入れるといっても何から始めたらいいか分からなくて」。とりあえずサーバを借り、おそるおそる中身をのぞいてPHPという言語でできていることを知る。

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