今度は宛名──友人や同僚との“距離感”を踏まえる3分LifeHacking

記事「友人や同僚との“距離感”を考える語尾表現」の反響に、「語尾表現より文頭の宛名のほうが大事」というご指摘もあった。実は筆者も宛名のことが気になっていた。今度は“距離感”を踏まえたメール送信先の名前の書き方を考えてみよう。

» 2007年08月03日 18時19分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 社内外で書き分けるべきとされているメールの書き方で、“距離感”という切り口を考えた記事「友人や同僚との“距離感”を考える語尾表現」。読者からも、「相手が『かなりネット歴が古い(=年配)』or『外国人』のどちらかの条件のときには、『(^^)』でなく『:-)』を使うようにしている」(ブログ「投げ込み箱」)などの反響もいただいた。ありがとうございます。

 そんな反響の1つに気になるネタがあった。それは、ブログ「MyLifeFor.」が指摘したことである。

MyLifeFor.からの引用:

もちろん、文面を柔らかくするには、Biz.IDの記事末尾にある表なんかの文字を人と空気を読んで適時に使うことが必要ですが、最も効果的なのは、メール冒頭の宛名かな、と思いまして。

メールって、まず送信元とSubjectを見て、本文を見ますよね。で、本文の冒頭に書く宛名書きが、送信元の印象を決定付けるわけです。


 実は筆者も全く同じことを考えていた。本文冒頭の数行にも距離感を意識した表現方法があるはずだ、と。

 もちろん究極的には、メール本文中には宛名を書かずにやり取りすることを目指したい。そうすれば“無駄”な入力も省けるし、結果的に生産性向上につながる(ような気がする)。そもそもメールは手紙と異なり宛名としてto欄を備えており、筆者の周辺でも「本文に相手の名前なんか書かない」という人も少なくない。そういう意味では、本文中の宛名書きは“手紙時代”の名残──とも言えそうだ。

 とはいえ、これまでの習慣をいきなりやめるのも難しいし、複数の担当者同士でプロジェクトを進めるときなど、本文中にも宛名を書いたほうが送り先に間違いがない場合もある。そうであれば、宛名の表現方法を考えるのもアリだ。まず、最も“堅い”表現を考えてみよう。

アイティメディア株式会社ビジネス・メディア事業部Biz.ID編集長
斎藤健二様


 本文冒頭によく書かれているのが先方の宛名である。会社の正式名称から始まり、所属、肩書き、フルネーム+漢字の「様」で“フルセット”。誰からも非難されないであろう安心感はあるが、ちと堅苦しいし、何より冒頭から長くなってしまう。付き合いの始まりはこれぐらい堅くてもいいかもしれないが、飲み会などをするような間柄に“進化”したとしたらどうだろう。例えば──。

アイティメディア株式会社ビジネス・メディア事業部Biz.ID編集長
斎藤健二様

お世話になっております。鷹木です。
昨日の飲み会、楽しかったですね。今後とも、よろしくお願い申し上げます。


 と、このままでは本文のほうが宛名よりも短くなりかねない。上記のような、ちょっとしたあいさつ文を送りあう付き合いになったら、もうちょっと短いほうがいいかもしれない。

Biz.ID編集部
斎藤様

お世話になっております。鷹木です。
昨日の飲み会、楽しかったですね。今後とも、よろしくお願い申し上げます。


 宛名の人にとって直接“関係ありそうな”部署名と、さらに苗字+漢字の「様」のセットだ。これでずいぶんスッキリした。ここまで来たら、部署名をはずすのも時間の問題だろう。

 実は、もう“半歩”距離を縮める表現もあるのだ。それは漢字の「様」を平仮名にすること。さっそく試してみよう。

Biz.ID編集部
斎藤さま

お世話になっております。鷹木です。
昨日の飲み会、楽しかったですね。今後とも、よろしくお願い申し上げます。


 どうだろうか。平仮名の「さま」を使うことで「様」よりも若干柔らかい感じがする。個人的には、ビジネスにも使えそうな雰囲気だ。実は、平仮名の「さま」を利用することには「メリット」もある。上記の例でいうと漢字の「様」を利用すると「斎藤様」もしくは「斎藤健二様」となる。苗字だけでも3文字、フルネームだと5文字の漢字が連続する。ちょっと読みづらい。

 もちろん、「斎藤 様」「斎藤健二 様」というように半角/全角のスペースを入れる場合もある。これも方法ではあるが、名前部分と敬称部分が漢字と平仮名でキレイに分けられる利点もあり、筆者としては平仮名の「さま」をオススメしたい。名前が平仮名だったとしても応用が利く。例えば、Biz.IDで「Oh! IT商事」の4コママンガを描いているふじたきりんさん宛には、「ふじたきりん様」と書くのである。

 このあたりまで来たら、こちら側からの挨拶である「お世話になっております」の表現も変えてみてもいいだろう。同じ会社の仲間のように一緒に汗を流しているパートナーであれば「お疲れさまです」もいいし、本当に親密になれば「こんにちは」だってあり得るはずだ。もちろん、相手が乗ってこなかったら時期尚早である。じっくり時が熟すのを待とう。無理強いはいけない。


 さて、メール本文に宛名書きをしなくてもいいくらい親密になれるかどうかは、あなたと送信先との関係によるが、冒頭にも書いたとおり、メールには“本来の宛名”ともいうべきto欄が備わっている。このto欄だが、「name@domain.co.jp」などとメールアドレスが素のままで見えているのは寂しくもある。

 もしto欄に直接入力するときは「アイティメディア斎藤さま< name@domain.co.jp >」など「文字列<メールアドレス>」というように入力すると、先方のメールソフトのto欄に素のままのメールアドレスではなく、「アイティメディア斎藤さま」というような文字列を表示させることができる。もちろん、メールソフトのアドレス帳から入力しても問題ない。

本日のレシピ
親密さ 初対面 2度目のメール 飲み会後 親密
メールの書き方 アイティメディア株式会社ビジネス・メディア事業部Biz.ID編集長
斎藤健二様

お世話になっております。鷹木です。
Biz.ID編集長
斎藤様

お世話になっております。鷹木です。
Biz.ID斎藤さま

昨日はお疲れ様でした。鷹木です。
こんにちは! 鷹木です。

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