Outlook、携帯電話、Googleカレンダー、そしてMacのiCal……。これらの各種カレンダーアプリケーションのデータを同期して、一元管理できるオンラインサービス「Plaxo 3.0」が登場。
オンラインカレンダーが巷を騒がせているが、実は多くのスケジュールを管理しなくてはならないビジネスパーソンにとっては、「オレには関係ないや」というのが実感だったのではないか。
それなりの規模の企業にはグループウェアと呼ばれるイントラネット内で動作するカレンダーが導入されている。これはこれで生産性向上に大きな効果をもたらすサービスなのだが、問題が1つ。ほとんどの場合、予定のデータはそのグループウェア独自のもので、同期(シンクロナイズ)できてもMicrosoft Outlook──だということだ。
ビジネスニーズのカレンダーソフトはOutlookを軸に同期、一方でGoogleカレンダーやYahoo!カレンダーなどのオンラインカレンダー陣営は、Outlookのデータを読み込むことはできても同期はできない場合がほとんど。ここに断絶があったのだ(6月13日の記事参照)。
7月3日にバージョンアップした「Plaxo 3.0」は、これらを解決してくれるかもしれない画期的なサービスだ(3.0の登場とともに日本語にも対応した)。
数多くの機能を持つPlaxoだが、ここでのポイントは、Plaxoをハブとして数々のカレンダーアプリケーションやサービスを同期できること。Outlookだけでなく、Googleカレンダー、Yahoo!Calendar(米)、MacOSのiCalなども同期の対象だ。
Mozilla Sunbirdなどは、Googleカレンダーなどのデータを参照して表示し、編集もできる機能を備えている(6月30日の記事参照)。これらと同期が違うのは、相手のデータを参照して自身のデータとして保存すること。つまり、ネットワークにつながっていないオフラインの環境でも、カレンダーをチェックできる。また、受け取ったデータを別のアプリケーションに渡していくことも可能だ。
Plaxoを入れて、筆者のカレンダー同期環境は生まれ変わった。これまでOutlookから先の“出口”がなく、下図が中央で分断されていたのだが、今回の道筋がオープンしたことで、すべてのカレンダーが一体となったのだ。
Plaxoのカレンダー機能自体は、正直なところ、競合よりも使いやすいとは思わなかった。直感的な操作という意味では、GoogleカレンダーやMacOSのiCalのほうが上だ。ただし閲覧するだけなら、便利なポイントも押さえている。例えば、週末(土日)を表示するかどうか選べたり、月曜始まりか日曜始まりかを選べたりなど。
それでもPlaxoが魅力的なのは、やっぱり同期機能だ。筆者はPlaxoは“情報のハブ”と割り切って、図で言う右端や左端──グループウェアやGoogleカレンダーなどで操作を行うようにしている。
これまで携帯電話とGoogleカレンダーを同期しようと思っても案外難しかったものだが、間にPlaxoとOutlookを絡めれば半自動で同期が可能になる。ただし、間にこれだけ多くのアプリケーションが入ると、さすがに管理が面倒になるので“携帯電話とGoogleカレンダーの同期”のためだけに使うのはあまりお勧めしないが。
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