オフラインでもWebアプリが利用できるという「Google Gears」が、Webブラウザの限界を“突破”する技術として注目を集めている。このGoogle Gearsに対応した「Google Reader」を試してみた。
Webブラウザの限界を“突破”する技術として注目を集める「Google Gears」(5月31日の記事参照)。オフラインでもWebアプリが利用できることが魅力で、対応アプリが増えればパッケージソフトへの影響も少なくないだろう。さっそく編集部でも試してみた。
Google Gearsは、(1)検索機能を持つリレーショナルデータベースを利用して、Webサイト側にあったデータをローカルに保存する「ローカルデータベース」、2)HTMLやJavaScript、画像などのファイルをローカルにキャッシュする「ローカルサーバ」、3)アプリケーションのレスポンス向上のために非同期で動作するJavaScriptを実現した「ワークプール」――という3つのJavaScriptをまとめたライブラリだ。Internet Explorer 6以降、Firefox 1.5以降の拡張機能として提供している。
Webアプリ側もGoogle Gearsに対応すれば、本来WebサイトとPCで通信する必要があったWebアプリでも、ローカルPC内のみでデータのやり取りができるようになる。なお現在、Google Gearsに対応しているWebアプリはサーバ型RSSリーダーの「Google Reader」のみだ。
Google GearsのWebサイトでダウンロードして、ブラウザにインストール。インストールが成功すれば、Google Readerのページにアクセスすると「WebサイトがGoogle Gearsを使うのを許可するかどうか」を確認するダイアログが表示される。
Google Readerの右上に緑色の矢印が表示されているので、そちらをクリックすると2000件までのフィードをGoogle Gearsに保存する。これでオフラインになっても、まずはGoogle Readerが利用できるわけだ。
オフライン時にも「スター」を設定したり、未読を既読に変えることなどが可能。再度、オンラインなったとき、右上の青色矢印をクリックするとシンクロを始めて、オフライン時の作業が反映されることになる。
さて、簡単にInternet Explorer 7でGoogle Gears対応版「Google Reader」を試してみたところ、編集部の環境ではフィードを保存したとしても、1度ページを遷移するなどして再度Google Readerにアクセスした場合は、右上の矢印ボタンが緑になってしまい、再びフィードを保存する必要があった。オフラインになる前は右上の矢印ボタンが青であることを確認しよう。
とはいえ、RSSフィードのテキスト部分はしっかり確認できたし、オンライン復帰時の同期も問題なかった。オフライン作業の強化は、ブラウザ業界の流れでもある(3月19日の記事参照)。今後、対応アプリが増えることを期待したい。
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