Acrobat3D 8日本語版発表 ギガクラスのCADデータ変換が可能に

製造業企業に向け、3次元CADデータをPDFに変換できる「Adobe Acrobat 3D」のバージョン8が、6月下旬から発売になる。

» 2007年05月15日 12時51分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
アドビシステムズのギャレットイルグ社長

 アドビシステムズは5月15日、3次元CADデータをPDFに変換できる「Adobe Acrobat 3D」の最新バージョンとなるバージョン8を6月下旬より提供開始すると発表した。

 新バージョンでは、3次元CADデータを100分の1程度に圧縮する「PRC」フォーマットに対応し、製品製造情報(PMI)の表示や、国際標準のCADデータ形式である「STEP」、米国標準の「IGES」などのフォーマットに書き出すことが可能になった。また大容量CADデータの変換にも対応。従来は500Mバイト程度だったが今回はGバイトクラスにも対応しているという。合わせてWindows Vista、Offie 2007への正式対応も果たした。

 Adobe 3Dは、製造業企業に向けて3Dデータを含む技術情報を活用することを目指した製品だ。設計部門以外でも、3次元CADデータの活用が広がっているが、関係者がより簡単に閲覧したり注釈を加えたりすることが可能になるよう、Adobe Reader上での3次元CADデータの閲覧を可能にした。

製造業のさまざまな文書業務でAdobe 3Dが利用できるという

 価格は通常版が13万5870円、従来のAcrobat 3Dからのアップグレード版が4万320円。6月中旬からは、無償体験版もWebサイトより提供する。

3D CADデータから、カタログ、テレビコマーシャルの作成も

3次元CADデータを埋め込んだインタラクティブなマニュアル

 都内のホテルで行われた製品発表会では、Acrobat 3Dの実活用例として、大日本印刷のコンテンツ制作サービス「CADVIZ REAL」のデモも行われた。CADVIZ REALは、3次元CADデータを使い、「実際の製品なしで、フォトリアルな印刷用画像や、テレビコマーシャルレベルの映像を作成できるソリューション」(大日本印刷)だ。

 同ソリューションでは、3D PDFを印刷物に替わるインタラクティブなマニュアルや研修資料として活用。Adobe Reader上で3次元データを自由な視点から閲覧できたり、アニメーションさせられることを生かした。

 「AdobeReaderの中に、3Dを表示する機能が入っているので、特別なプラグインなしで表示できることが特徴。全世界で基盤が整備されているので、日本から海外のディストリビュータに向けて送ることが可能になっている」

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