ケース1――片付けできないIT系記者【後編】乱雑デスクのビフォーアフター

あの散らかったデスクがきれいになるのか――。5箱分まで減らした荷物を前に「ふぅ」と一息つく筆者。矢次さんは「ここからが肝心です」――。

» 2007年04月25日 21時55分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 ダンボール9箱分あった荷物も、ようやく5箱分まで減らすことができた。「ふぅ」と一息つく筆者。矢次信一郎さん(キングジムファイリング研究室室長)は、「ここからが肝心です」と言葉を強めた。

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ようやく5箱分まで減らした荷物

ラストステップ:机に荷物を戻す

 「机に戻すときに注意してほしいこと」はいくつかある。まずは、机の上には最低限の荷物しか置かないこと。筆者の場合は、ノートPC、電話機、電話用メモ帳、内線表、カレンダー、記者ハンドブック、作成途中の記事のための資料――の7つ。現在必要な、いわゆる「フロー」の業務に使うツールだけを机の上に置くわけだ。このうち特に散らかりそうな資料についてはボックスを用意。これまで机の前のパーテーションに貼り付けていた内線表もこのボックスに入れて、机の端にまとめた。

 周囲から見られやすいパーテーション部分に内線表などを貼り付けないのは、情報漏えい防止の観点からでもある。ちなみに、内線表はクリアファイルに入れておいた。こうしておけば紙がクシャクシャにならないし、クリアファイルのタブに内線表であることを明示しておくことで、取り出すのも簡単になる。

キレイになった机の上。
散らかりそうな資料についてはボックスに
内線表はクリアファイルにしまった

 会社の書類など「ストック」するモノは、鍵のかかる袖机の引き出し(3段)に入れる。A4サイズの雑誌やカタログなどの資料は、種類に応じてボックスに分けて、そのまま最下層の引き出しに。利用頻度を考えて手前から、カタログ、雑誌、社内資料という順に収納。この際、前編で、鉛筆やシャープペンで書いていたファイルの仮タイトルは、正式なものに変えておこう。

 その上の引き出しには、手前からデジタルカメラの充電池や「W-ZERO3」などのガジェット類、その後ろに文庫サイズ、新書サイズの書籍をしまう。一番上の引き出しには、いただいた名刺やUSBメモリを収納した。

 鍵がかからない引き出しにはなるべく荷物を置かない。机(袖机ではないほう)には3つの引き出しがあったが、こちらの右の引き出しだけを使って、文房具スペースとした。右手から近いのがその理由だ。間仕切りのようなものがあるといいが、筆者は名刺入れの空きケースで代用した。左、中央の2つは「ちょっとした離席時に書類などをしまう、一時的な待避スペースとして空けておく」(矢次さん)。

ストックするものは鍵のかかる袖机の引き出しに。最下層には大きめの資料を収納。いずれも利用頻度が高い順に手前から並べるといい
真ん中の引き出しには、手前からデジタルカメラの充電池や「W-ZERO3」などのガジェット類、その後ろに文庫サイズ、新書サイズの書籍をしまった
一番上の引き出しには、いただいた名刺やUSBメモリを収納した

 ということで、いったん机の上はキレイさっぱりになったわけだ。矢次さんのコンサルティングはここでいったん終了。ここまでで開始から2時間30分ほど。いい汗かきました。ありがとうございます! 「鷹木さん、この後、油断しちゃだめですよ。以前のつもりで過ごしていたら、すぐに散らかっちゃいますからね」。……そ、そりゃそうですね。でも、どうしたらいいでんでしょ? 「そうですねぇ……」

“カオス復活”を防ぐ3つの心得

  1. 毎日掃除する
  2. 廃棄ルールを作る
  3. その日のうちに捨てるか、捨てないかを決める

 「毎日掃除する」。そういえば、シゴトハック研究所でも「毎日1つずつ片付けよう」と言ってました。「そうですね。まずは1つずつでも“掃除の習慣”を付けることが大事です。本当にできますか、鷹木さん」。ううっ、頑張ります……。「不安なら、掃除するメリットを考えることです。掃除することでスッキリする、書類を整理しやすくなる、などをイメージしてみるのもいいかもしれません。頻度は掃除ほどではないかもしれませんが、ストックしている書類も一定の間隔で入れ替えするといいでしょう」

 「廃棄ルールを作る」とはどういうことだろう。「机の上だけでなく、本棚にせよロッカーにせよ場所は有限です。収納容量以上のモノはしまい切れません」。ふむふむ。つまり、しまい切れなくなったら捨てろ、ということですね。「そうです。例えば、そういったルールを決めることが大事です」

 「その日のうちに捨てるか、捨てないかを決める」。これは結構難しいかもしれません。取っておいたほうが、後々よさそうな書類もあるし……。「でも、その時に不要なものは結局ゴミになりませんか? もし、判断しかねるようなモノだったら、上司や同僚に相談してもいいですよ。捨てないとしても、部署で共有するのか、個人で管理するのか、いつ廃棄するのかなどを決められるといいですね」

ケース1の特徴

 筆者の机の上の特徴は「モノと書籍が多く、業務で利用する書類は少ない」(矢次さん)こと。通常の会社員の場合、書類の束が数百センチに達することもあるが、筆者の場合は数十センチだった。これはPC中心の仕事をしていることとも関係がありそうだ。また、本来、部署の共有スペースで管理していてもおかしくないデジタルカメラなどが個人管理になっていたことも特徴。個人で働く記者ならではといえるだろう。


「片付けできないIT系記者」のまとめ

ステップ やったこと チェックポイント 使った道具
1st モノをどかす ・机の上だけでなく引き出し、袖机、足元のスペースなども
・もともとの場所が分かるよう、場所ごとにダンボール箱や袋を用意する
・この時に捨ててしまってもよい
・ダンボール
・クリアファイル(書類など)
・紙袋(文房具など)
2nd 必要/不要を選別する ・仕分けはあくまで“仮”。最終的には4thステップまでに調整する
・「いつか役に立つかも」は危険。捨てなければモノがあふれるだけ
・取扱説明書ファイル(外箱を廃棄したソフトなど)
・ボックス(資料など)
3rd 共有/個人/私物を選別する ・部署共有ゾーンがなくてもあきらめずに上司に相談
4th 再び散らからないよう収納する ・毎日掃除する
・廃棄ルールを作る
・その日のうちに捨てるか、捨てないかを決める
社内引越し後の筆者の机。向きは変わったが、当初と比べると随分キレイになったのが分かってもらえるだろうか? ちなみにイスの横のダンボールは、メーカーから借りた機材。断じてゴミではない
ちなみにこちらが整理前

片付けられない方、募集します!

 新連載「乱雑デスクのビフォーアフター」では、整理整頓が苦手な方を募集しています。場合によっては、“ファイリングの達人”であるキングジムの矢次信一郎さんがコンサルティングいたします。

 なお、コンサルティングの様子はBiz.IDにて掲載させていただきますので、ご了承下さい。写真や動画を撮影させていただく場合がございます。ご希望の方は、以下のフォームで必要事項をお送り下さい。


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