数年後の自分の仕事をイメージするには?【問題編】シゴトハック研究所

「3年後にどんな仕事をしていたいか?」と聞かれて、即答できる人は案外少ないのでは。自分のキャリアの行く末についてイメージするにはどうしたらいいのでしょう。

» 2007年04月19日 13時53分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

 新人研修の一環として、社内で行われた「キャリアデザイン」についての講義を受けたカホコさん。その中で「3年後にはどんな仕事をしていたいか」を問われ、戸惑ってしまいます。学生時代から数社のIT企業でインターンを経験してきたカホコさんですが、「3年」という大きな時間枠を前に、改めて今後の自分のキャリアの行く末について考え始めているようです。

    マンガ:ふじたきりん

カホコさん 課長、さっき「キャリアデザイン」の研修を受けてきたんですけど……。

マサヨシ課長 ほう、どうだった?

カホコさん 講義内容については、本で読んだり、インターン時代に参加したセミナーで聞いたりして、知っていることが多かったんですけど、グループに分かれてワークショップをやった中で「3年後にはどんな仕事をしていたいか」という質問があったんです。

マサヨシ課長 ウム。それで?

カホコさん 「そんな先のこと、分かるわけないでしょ!」って思っちゃいました、口には出しませんでしたけど。

マサヨシ課長 まぁ、確かに3年後だろうが、5年後だろうが、将来のことを具体的に見据えたうえで仕事に取り組んでいるという人はそんなに多くないだろう。でも、そのワークショップでも、きちんと答えられている人もいたんじゃないかな?

カホコさん そうそう! そうなんです! なんでそんなに具体的に答えられるの? ってくらいきちんと考えている人がいて、もうびっくりです。

マサヨシ課長 一応、そういうことを考えるためのコツはあるぞ。

カホコさん え、ホントですか? ぜひ教えてください!

マサヨシ課長 ウム。じゃぁ、まず、どうしてカホコさんはこの仕事を選んだのかな?

カホコさん えーと、学生時代にインターンで仕事をさせていただいた中で、一番しっくり来たのがこの業界だったというのと、面接でお会いした先輩や上司の皆さんが私にとって一緒に働きたいと思える方々だったから、です。……なんか就活の頃を思い出しますね。

マサヨシ課長 では、どうしてこの業界が一番しっくり来たんだろう?

カホコさん ……考えてみると、私がインターンで経験したのは3社だけですし、その中で一番しっくり来たというだけで、ほかにももっとしっくり来る業界があったかもしれません。とすると、やはり一緒に働きたい方々が多かった、ということなのかな、と思います。

マサヨシ課長 では、どうしてウチの人間と「一緒に働きたい」と思えたんだろう?

カホコさん うーん、そこから先はきちんと考えてないですね。

マサヨシ課長 よし。では、質問を変えよう。カホコさんにとっての直近のゴールは何かな?

カホコさん 一日も早く一人前に仕事ができるようになることです。

マサヨシ課長 それで? そのあとは?

カホコさん 私らしい仕事の仕方でクライアントさんに喜んでいただけるようになることです。

マサヨシ課長 それで?

カホコさん あと、もっと女性が働きやすい職場にしていけたらいいな、と。

マサヨシ課長 それで?

カホコさん 女性が働きやすくなれば……、女性向けの商品開発なんかも自社でできるようになったらいいですね。

マサヨシ課長 それで?

カホコさん うぐ……。まだ続くんですか? うーん、そうですねぇ……。同じような考え方を持つ会社さんと提携してビジネスを大きくしたい、かな……。

マサヨシ課長 それで?

カホコさん そしたら思い切って自分で会社を作っちゃいます!

マサヨシ課長 なるほど。それがカホコさんの3年後の仕事かもしれないな。

カホコさん あ! 気づいたら乗せられるままに話しちゃいました。何なんですか、これは! 誘導尋問ですか?

マサヨシ課長 私もたまに自分でやっている方法だ。詳しくは明日また話すことにしよう。おつかれさま。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。


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