英語テストも簡単作成――三省堂の辞書サービスに用例検索仕事耕具

書籍版とオンライン版の辞書が利用できる「三省堂デュアル・ディクショナリー」で、用例を検索できるサービスが始まった。辞書の用例データが元になっており、英単語で検索すれば、用例テストの作成も簡単にできるという。

» 2007年04月17日 13時42分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 三省堂は、同社が運営する「三省堂デュアル・ディクショナリー」をリニューアルし、従来型の検索サービスに加えて、辞書の用例を検索できる「用例コーパス」機能を新たに追加した。今後、3カ月程度をめどに期間限定で無料公開する予定だ。

 デュアル・ディクショナリーは、三省堂の辞書「大辞林第三版」「ウィズダム英和辞典第2版」「ウィズダム和英辞典」の書籍版を購入した読者が、オンライン版も同時に利用できるサービスだ。書籍とオンラインの両辞書を統合すべく2006年秋にサービスを開始した(2006年9月の記事参照)。

 今回のリニューアルでは、見出し語検索、用例検索といった従来からの検索機能に加えて、英和・和英辞典に「用例コーパス」機能を追加する。コーパスとは、言語研究のために収集された膨大な用例テキストで、辞書編さんなどに利用されている。三省堂によれば「英和・和英辞典では初の試み」だという。

 用例コーパス機能を利用すると、検索した英単語にふさわしい修飾語句や、目的語などの用例を確認できる。例えば、「put」と入力すると「simply put(簡単に言うと)」「Just stay put!(いいからじっとしていろ)」「put 10 dow(頭金を1割払う)」「put A away put(Aを片付ける)」などの用例を511件表示した。

「put」を検索したところ

 用例を検索するため、検索キーワードの入力は通常の検索と微妙に異なる。英和辞典の場合は、入力した語形そのままの形での完全一致検索となるため、例えば「require」と「requires」では別々にヒットする。和英辞典の場合も完全一致検索だが、活用語は終止形でないと検索できない。

 こうした用例コーパス機能を利用すれば、特定の動詞が目的語とする名詞や、特定の名詞を目的語にとる動詞や修飾する形容詞を調べることが可能だ。「put A down」の「down」のように特定の動詞とともに使われる「共起語」を指定することで、2語の組み合わせての検索もできる。また、ある単語で検索した用例をコピーして、検索した単語部分を消せば、英語のテスト問題も作成できるという。

共起語の位置も指定できる。downがputのすぐ右隣の場合
こちらはputから1単語おいた場合
さらに2単語おいた場合

 三省堂によれば、欧米では1980年代からコンピュータでコーパスを解析して、辞書を編さん。語義の頻度順配列や語連結(コロケーション)を重視した用例解説などが行われている。日本国内では、三省堂が2003年に初版を出版した「ウィズダム英和辞典」が独自に構築したコーパスで編さんされているという。

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