仕事の基本をうまく伝えるには?【問題編】シゴトハック研究所

ついにIT商事にも新入社員がやってきました。インターンなどもこなしてきた才女「カホコさん」の教育を担当することになったタカフミ君ですが……。

» 2007年04月05日 11時02分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]
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 いつになくそわそわしているヒロシ主任とタカフミ君。なぜなら、今日から同じ部署に新入社員が配属されることになったからです。

カホコさん おはようございます! 今日からこちらに配属いただくことになりました、カホコと申します。どうぞよろしくお願いします!

マサヨシ課長 おはよう。カホコさんの席はそこだ。さっそくだが、同僚となる2人を紹介しよう。ヒロシ主任とタカフミ君だ。

ヒロシ主任 よろしく。

タカフミ君 よろしくお願いします!

マサヨシ課長 ウム、とりあえず、カホコさんには簡単に自己紹介をしてもらおうかな。えーと、大学では経済学が専門だったよね?

カホコさん はい。でも理論よりもとにかく早く実際の仕事を体験したかったので、ITベンチャーを中心に3社ほどインターンを経験させていただいていました。

ヒロシ主任 へー、じゃぁ、パソコンなんかも得意なんですか?

カホコさん えぇ、まぁ。メールとネットとOfficeはだいたい使えると思います。

ヒロシ主任 それはすごい! すぐにでも仕事ができますね。

カホコさん はい、がんばります!

マサヨシ課長 よし。少なくとも今月いっぱいはタカフミ君がカホコさんの教育担当ということになっているから、細かいことは彼に聞いてもらえるかな。

カホコさん 分かりました。タカフミさん、よろしくお願いします。

タカフミ君 こちらこそ!

 ──それから3日後。マサヨシ課長とタカフミ君が2人で話しています。

マサヨシ課長 その後どうだね?

タカフミ君 いやぁー、カホコさん、やっぱり仕事できますよ。僕が教えられることなんてほとんどなさそうです……。

マサヨシ課長 でも、タカフミ君だってもう3年もこの会社で仕事してるんだから、それなりに教えられることもあるだろう。

タカフミ君 うーん……。

マサヨシ課長 インターンの経験があるというのは確かにすごいことだが、しょせんはインターンだ。社員として仕事をすることでしか得られないこともあるぞ。

タカフミ君 でも、彼女、インターン時代もけっこう社員並みに仕事を任されてたそうなんですよ。営業成績とかも良かったみだいですし。

マサヨシ課長 ウム。先週も話したことだが、タカフミ君が仕事で苦労をしたことを改めて振り返ってみれば、そこからタカフミ君にしかできないことを見つけるはずだ。つまりは、タカフミ君だからこそ教えられることだな。

タカフミ君 あぁ、マニュアルを作るより、自分の仕事のやり方を再確認しよう、という話でしたね。

マサヨシ課長 細かいテクニックや方法論というのはたくさんあるだろうが、それだけでは、すぐにネタ切れになるだろう。

タカフミ君 確かに、何を教えるべきかを考えるのは大変ですけど、「僕がどういう苦労をしてきたか」という観点からなら、いろいろ話せるかもしれません。とりあえず、やってみます!

マサヨシ課長のつぶやき

 まぁ、すぐにはうまくいかんだろうな。でも、うまくいかない経験の方がむしろ後で役に立つ、ということはある。


筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。


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