タイトルはこう付ける――ブログメディア研究会で検討したことブロガー応援企画

3月16日に開催した第2回「ブログメディア研究会」では、参加者がそれぞれのブログを赤ペンで添削。慣れない作業だったが、記事を書く上での課題も見えてきた――。

» 2007年03月19日 17時55分 公開
[田口元,ITmedia]

 Biz.IDのブロガー応援企画「ブログメディア研究会」。3月16日に第2回研究会を開催した。今回はブロガーの皆さんに実際に記事を持参してもらい、どのように改善できるのか、そのノウハウをシェアした。

 今回は全員の記事をレビューするため、参加ブロガーは3名と少人数だったが、内容のある議論ができた。Biz.ID側からはGTDの紹介や「ひとり作るネットサービス」を執筆中の田口元氏や編集スタッフが参加した。

参加ブロガーの皆さん(応募順)
ブログタイトル URL
F.Ko-Jiの「一秒後は未来」 http://blog.fkoji.com/
Dream-Seed http://www.dream-seed.com/weblog/
創造マラソン http://yoshikazu.asada.biz/

赤ペンで他人の記事を添削

 まずは持ち寄ってもらった記事を全員にコピーして配布。15分かけて「この記事をどう改善できるか?」について、赤ペンを入れてもらった。原則的には、思うところを自由に書いてもらうことにしたが、ブログを続けたくなくなるような「ヘコむことはあまり書かないように」とお願い(笑)もした。

議論中(左)、右は原稿に赤入れする参加者

 その後、1つずつ記事を取り上げ、各々のアイディアを発表。タイトルの付け方から記事の内容まで、さまざまな意見が出た。以下に参考になるようなポイントをまとめる。

タイトルに重要なのは「具体化」「どう役立つか」「権威付け」「特徴的な語句」

 今回題材となったのは3つの記事。すべての記事において「タイトルはもう少しこうした方がいい」という意見が出た。例えば、ある参加者が持ち寄った記事のタイトル「ブロガーに役立つ情報満載のニュースサイト○○」である。

  • 「情報満載」という表現はあいまい。「情報が108件も掲載されている」といったふうに具体化してはどうか。
  • ブロガーにどう役立つかあいまい。「○○は●●に役に立つ!」としてはどうか。
  • ○○の権威付けが弱い。「海外ではTechcrunchと並ぶ○○を知っているか?」としてはどうか。

 また、別のブロガーは記事に「テキストにタグ付けができる『TAGるメモ』」というタイトルを付けていた。このタイトルについては以下のようなアドバイスが出た。

  • どう役立つかはっきりアピールする。「テキストにタグを付けてさくさく文書整理ができる『TAGるメモ』」としてはどうか。
  • 「TAGる」という特徴的な語句をうまく使ってはどうか。「テキストを”TAGる”ことができる『TAGるメモ』」としてはどうか。

 タイトルは、その記事が読まれるかどうか最も重要な要素の1つ。工夫を凝らしすぎることはないだろう。読者にどのようなメリットがあるのか、簡潔かつキャッチーにまとめるにはどうしたらいいか――。第三者のアドバイスを通じてタイトルの重要性を再認識することができたのではないだろうか。

読者の疑問に答えよう――客観的な情報だけでなく、オリジナルな情報も

 あるブロガーは出張に行ったときのホテルについて記事を書いた。この記事については、全員が「これを読んで読者がどういう疑問を持つか? その疑問を想定して答えとなるような情報を盛り込んだらどうか?」というアドバイスを寄せた。例えば「出張でホテルに行ってきました。かなり立派でした。」という記述ひとつでも、読者は次のような疑問を抱く。

  • ホテルに満足したようだが、宿泊料金はいくらだったのか?
  • 立派なホテルとあるが、どこを見てそう思ったのか? 写真は撮っていないのか?
  • どうやってホテルを探しているのか? 他人が知らないような上手な方法があるのか?
  • 今までどのようなホテルに泊まったことがあるのか?

 料金や内装の写真などは客観的な情報だけでなく、他人が知らない情報、これまでの経緯などその人オリジナルの情報も期待されていることが分かる。こうした「読者の疑問」には先回りして答えることで、質の高い記事になるというわけだ。今回の記事でいえば、ホテルの宿泊料金や評価のポイント、過去に泊まったホテルの記事を関連記事として末尾に加えるなどの工夫が、記事の価値をさらに向上させることになりそうだ。

ブログシステムやプラグインなど、関連する情報交換も

 このほか、「書評はどうまとめるべきか?」「ソフトウェアレビューはどうあるべきか」といった議論もあった。また元ネタは積極的に公開すべきか、それとも自分だけの情報源とすべきかについても意見が分かれた。こちらについては、また別の機会にでもご紹介しよう。

 記事のブラッシュアップが終わると、それぞれのブログを確認しながらブログシステムの説明やプラグインの紹介、各々が工夫している点も情報交換できた。

 参加者の1人は「ほかのブロガーと話せて大変参考になった。雑談のような話でも役立つポイントが多々あった。こうした勉強会は今後も開催してほしい」とコメント。Biz.IDでは今後もこうしたイベントを定期的に開催する予定だ。ブロガーのノウハウ共有を通じて、新しいメディアのあるべき姿を探っていきたい。

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