Ajaxを駆使したWebメールとスケジューラ「Scalix」日本語版

日本スケーリックスは、Linuxサーバにインストールし、クライアントPCのブラウザからメールとスケジュール管理ができるソフトウェア「Scalix」の日本語版を3月12日に発売する。利用人数に制限がある無料版も用意した。

» 2007年03月12日 18時44分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 日本スケーリックスは、ブラウザ経由でメールとスケジュール管理ができる企業向けソフトウェア「Scalix」の日本語版を3月12日に発売する。ScalixはLinuxサーバにインストールするソフトウェアで、クライアントPCのOSはWindows、Mac OS、Linux、ブラウザはFirefox 1.0、1.5、Mozilla 1.7、Internet Explorer 5.5以上に対応する。

 ScalixのWebメールはAjaxを駆使してOutlookに似たインタフェースを実現した。キーボードショートカットや[Ctrl]キーを使ったメールの複数選択なども可能だ。また、情報漏えいを防ぐため、Webにキャッシュを残さない。スケジュール管理画面では、ドラッグ&ドロップでスケジュールの移動が可能で、iCal形式でのスケジュールの読み込み・読み出しにも対応している。

Outlookによく似たインタフェースを提供するScalixのWebメール一覧画面(左)と新規メール作成画面

Scalixの週間スケジュール一覧画面(左)では、ドラッグ&ドロップでスケジュールの移動ができる。新規スケジュールの作成画面(右)では、参加者やアラームなどを設定できる

 また、携帯電話やPDAなど、小さな画面の機器で見やすいモバイルモードも用意した。現在、モバイルモードのメニューは英語で、機能はメールの閲覧・送信だけとなり、スケジュールの閲覧はできない。日本スケーリックスでは「1〜2カ月後にはメニューを日本語化する。スケジュール機能にも今後対応していく予定」としている。

 メールはWebから閲覧できるだけではなく、POP3やIMAP4方式の読み出しにも対応しているので、既存のメールクライアントからも利用可能。さらに、マイクロソフトによるメールの通信規格「MAPI」にも対応している。普段はOutlookからメールとスケジュールを読み書きし、出張先のオフィスにあるPCからはWeb経由で確認するといった使い方も可能だ。Outlookの対応バージョンは2000、2003、XP。

 Scalixには2種類のユーザー機能がある。メール機能と個人スケジュールが利用できるスタンダードユーザーと、それに加えてグループ内のスケジュール管理とグループ内の掲示板やファイル共有に使える「パブリックフォルダ機能」が利用できるプレミアムユーザーだ。

 また、Scalixは価格によって3種類のバージョンを提供する。日本スケーリックスのWebサイトから無料でダウンロードして利用できるが、プレミアムユーザーの数が25人までに制限されるコミュニティエディション、サーバの二重化で信頼性を高め、複数のサーバを一体のシステムとして運用できるため数万人規模で利用できるエンタープライズエディション、1台のサーバで利用することを前提としたスモールビジネスエディションだ。スモールビジネスエディションとエンタープライズエディションにはライセンス料が必要で、プレミアムユーザーの数によって決まる。いずれのエディションでも、スタンダードユーザーは何人いても構わない。

 スモールビジネスエディションで50プレミアムユーザーの場合、初年度のライセンス料は16万4000円。次年度以降にソフトウェアのアップデートやバグ報告などのサポートを受ける場合は1年あたり8万2000円が必要。エンタープライズエディションでは50プレミアムユーザーでライセンス料が79万5000円、同じくサポートが13万2000円。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ