「反響がない」「お金が儲からない」「記事を早く書きたい」――。ブロガーの“悩み”を共有し、お互いのスキルを向上させることを目的とするブロガー応援企画「ブログメディア研究会」の様子をお伝えしよう。
2月20日、東京日本ビルのコクヨ「DESK@(デスカット)」にて第1回ブログメディア研究会を開催した(2月20日の関連記事参照)。ブロガー同士で悩みを共有し、お互いのスキルを向上させるためのブロガー応援企画である。
ブログタイトル | URL |
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pinkmac(Diary) | http://d.hatena.ne.jp/pinkmac/ |
僕は発展途上技術者 | http://blog.champierre.com |
akiyan.com | http://www.akiyan.com/ |
plus ultra blog | http://ultra.boy.jp/ |
ホメログ | http://ameblo.jp/homelog/ |
ogijunのあとで書く日記 | http://d.hatena.ne.jp/ogijun/ |
今回は第1回ということで、主に2つのことを行った。1つは「ブログをやっていて良かったこと」を共有すること。そしてもう1つは「ブログをやっていて困っていること」を共有し、それらについての対策を議論することだ。
まずはブログをやっていて良かったことを書いてもらい、1人ずつ発表。具体的には、以下のような点が挙がった。
ブログでの情報発信によって、それぞれが仕事や日々の生活に大きなメリットを感じているようだ。とはいえ、いいことばかりではない。
次に、ブログを書く上での悩みを聞いた。同じようにまずはそれぞれ書き出してもらい、その後順番に発表してもらった。数々の悩みが挙げられたが、以下のような悩みを多くの人が抱えていることがわかった。
これらの問題について、それぞれがどのように対処しているかを共有した。この議論にはBiz.ID編集部の記者も加わり、ニュースサイトのノウハウも共有しながら活発な議論が交わされた。
参加したブロガーが最も大きな問題と捉えていたのがこの問題。何人かのブロガーから「ブックマークされるために、心がけていること」といったノウハウが披露された。
あるブロガーは質の高い記事を書くために他のブログで既に書かれたネタを取り上げないようにしているという。そのために使っているのは「Anothr」。ブログの新着記事をSkypeで通知してくれるものだ。このツールを使い、気になるブログの動向をウォッチし、似たような記事を書かないようにすることでオリジナリティを出すことを意識するのである。
別のブロガーは“釣り”にならない程度にタイトルに気をつけている、と教えてくれた。参考にしているのはブログ「POP*POP」で紹介した「人を惹きつけるタイトルの書き方 Cheat Sheet」。このシートを机の上に貼り、タイトルをつけるときに参考にしているという。またBiz.IDの記者からも「タイトルのつけ方でアクセスが全然違う」といった話が出た。
ほかの手法としては、ブックマークされやすい「マジックワード」を意識することがあげられた。最近だと「Firefox」「Gmail」「はてな」「英語」などの単語がタイトルなどに含まれているとブックマークされやすい。こうした「マジックワード」はその時々のトレンドによって変わるのでよくブックマークされる記事を見ながら見極めていく必要がある。
「記事を公開する前に友人に意見を求める」というアイデアもあった。記事を書いたらまずはメッセンジャーなどで友人に見せる。その反応をもとに記事を推敲していくことで、より質の高い記事になるのだ。
記事中に関連リンクを増やしていくことでアクセスを向上させる工夫もある。Biz.IDでも「連載バックナンバーはこちら」といったリンクを文中に作り、過去記事へアクセスしやすいように工夫している。文末の関連記事を充実させることで読者を他の記事に誘導するようにしているブロガーもいた。
ブログをするにもお金がかかる場合がある。サーバーをレンタルしている場合や独自ドメインにも費用がかかる。記事を書く労力も馬鹿にならない。多少の金銭的な見返りは欲しいが、どうやったらそれを増やせるのかわからない、といった悩みは切実なのだ。
具体的な金額こそ挙がらなかったが、多くのブロガーが感じているのは「ブログは儲からない」ということだった。Google AdSenseやアフィリエイトで報酬を得ることは可能だが、額は「お小遣い程度」であり、それよりもブログを通じて人脈が広がったり、さまざまなイベントに参加できることをメリットに感じているブロガーがほとんどだ。現状では、ブログ単体でお金儲けするのは難しいと言わざるを得ないのである。
1本の記事を書くのに、気がついたらすごい時間がかかっていた――という悩みも多かった。スピードを上げるためにどうやっているのか。まずBiz.IDの記者が、記者になってすぐの頃に心がけていたという点を教えてもらった。
コツは2つ。1つは「いつまでに書くぞ、と決めること」。30分でも1時間でも自分で時間を見積もって、その制限時間内に書くのだ。もう1つは「言いたいことを箇条書きにしてストーリーを組み立ててから書き始めること」。また他の「自分は速い方だと思います」というブロガーもまったく同じ手法で記事を書いていることも分かった。記事を書くスピードで悩んでいるブロガーは試してみるのもいいだろう。
ブログを続けていると、どうしても“ネタ切れ”の時期がやってくる。そうしたネタ切れを回避するためにどういった工夫をしているのだろうか。
あるブロガーは「これはすごい!」と思ったネタを見つけたときに「まずは検索する」という。「これは絶対自分だけが見つけたはずだ」と思えるネタでも、すでに見つけているブロガーが何人かいるケースが多いからだ。そうした「自分より情報感度が高い人」を検索によって見つけ、彼らのブログを購読する。そうすることでさらに良質な「ネタ元」を確保できるというわけだ。
とにかく「メモすること」を習慣にしているブロガーもいた。ネタが浮かんだときにメモできなければ意味がない。そのためには、面倒くさがらずに、いつでもメモするように意識しているのである。
ブログを書いていると、ときにネガティブなコメントが寄せられることがある。特に、ソーシャルブックマークでのコメントは悩ましい。たったひと言のコメントで、数日間胃が痛くなるほどのダメージを受けることもある。そうした「ネガティブコメント」にブロガーはどう対応しているのだろうか。
あるブロガーは「ネガティブなコメントが付きそうなときは友人にまず見てもらう」と話す。友人に見てもらい、ネガティブなコメントが付いているときは、柔らかい言葉で言い直してもらうことでダメージをやわらげているそうだ。
今回の研究会は90分と短い時間ではあったが、多くのブロガーが同じような悩みを抱えていることが把握できた。次回の「ブログメディア研究会」ではそうした悩みを解決するような手法やサービスの可能性について議論していきたい。毎月1回の開催を予定しているので、自分のブログをもっと改善していきたいと考えているブロガーの方は、ぜひご参加いただきたい。
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