係長制の復活を――ミドル層強化へ JMAが提言

「係長制を成長の場として復活させる」――いわゆる「ミドル層」の強化を盛り込んだ提言「ミドルマネジメントの復権と創造」を日本能率協会が発表した。

» 2007年02月22日 20時55分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 日本能率協会(JMA)は2月21日、2007年の提言として「ミドルマネジメントの復権と創造」を発表した。「係長制をミドルマネジメントへの成長の場として復活させる」など、「ミドル層」の強化を盛り込んだ。

 JMAによれば2006年の調査で、「ミドル層」を強化することが人事分野の最重要課題との結果が出たという。こうした背景をもとに、学識・経験豊富な専門家とプロジェクトチームを結成。歴史的経緯やグローバルな視点も交えて、提言をとりまとめた。

 内容は、経営トップのなすべきこと、新しい組織と働き方、人材教育の3つの柱で構成される。まず、トップ主導で取り組む経営課題として「トップとミドルの相互信頼」を挙げた。何よりも「善き土台づくり。次に人事制度、組織や研修の妥当性を見極める」べきだというわけだ。キーワードは「自由と信頼」。自発的な動機付けの方法を模索すべきだと述べている。

 また、これからの組織は「チームの集合体」へと変化すると予想。これまで上司と部下に板ばさみの立ち位置だった「ミドルマネジメント」の役割は、「連結器からチーム型組織の経営者」に変わるという。さらに、地位や報酬でなく仕事の面白さを動機付けにすべきだという。

 人材教育には何よりも「育ちの場の提供」することが重要だと提言。そのための仕組み作りとして、「係長制をミドルマネジメントへの成長の場として復活させる」ことを挙げた。このほか、「気づきの研修を通じて自信と誇りを持たせる」「短期結果主義から長期的な成長を促す成果主義へ」などを提言した。

 JMAでは3月2日から順次、全国4都市で今回の提言の発表会を開催する予定だ。

提言
3つの柱 内容
トップがなすべきこと ・トップとミドルの相互信頼が起点。トップ主導で取り組む経営課題である
・第一は善き土台づくり。次に人事制度、組織や研修の妥当性を見極める
・新たな挑戦課題は内発的動機付けの探求。キーワードは「自由と信頼」
チーム型組織と新しい時代の働き方の創造 ・これからの組織はチームの集合体へ変化する
・ミドルマネジメントの役割は連結器からチーム型組織の経営者となる
・地位や報酬でなく仕事の面白さを動機付けにすべきである
・新しい働き方のモデルとして社内プロジェティスタ制度を提案する
育ちの場の提供 ・ミドルマネジメントが主体化していく仕組みを作りこむ
・係長制をミドルマネジメントへの成長の場として復活させる
・気づきの研修を通じて自信と誇りを持たせる
・短期結果主義から長期的な成長を促す成果主義へ改革を断行する

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