「MS Officeそっくり」あの中国製オフィスソフトが正式版に

2006年11月からβ版のダウンロード提供を行っていた中国製オフィスソフト「Kingsoft Office 2007」の正式版が発売になった。MS Officeと“3つの同じ”を実現したという。ただし、Office 2007独自のファイル形式には対応していない。

» 2007年02月01日 13時19分 公開
[吉田有子, 鷹木創,ITmedia]

 マイクロソフトのWordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトに「操作性や互換性を最大限近づけた」というキングソフトの「Kingsoft Office 2007」正式版のダウンロード提供が2月1日15時から始まる。Windows 2000/XP/Vistaに対応する。

Kingsoft OfficeでWordに相当する「Kingsoft Writer」※画像はβ版
こちらはWord 2003のスクリーンショット

 Kingsoft Office 2007は、これまでキングソフトが開発してきた中国語オフィスソフト「WPS」の最新版を日本語対応したもの。OfficeのWord、Excel、PowerPointで作成した資料をKingsoft Office 2007で開いても、「文字のズレ」「画像のズレ」を少なくしたほか、ツールバーに表示されている機能の並び順もマイクロソフトのOfficeに合わせた。さらに、「.doc」「.xls」「.ppt」といったWord、Excel、PowerPointの保存形式に対応し、“3つの同じ”を実現したという。

 ただし、似せたのはあくまでOffice 2003だ。1月31日に発売された新製品の「Office 2007」独自のインタフェース「リボン」やファイル形式(.docx/.xlsx/.pptx)には対応していない。キングソフトの広沢一郎社長によれば、Office 2007のファイル形式には2007年夏までに対応する見込みだ。一方、インタフェースは現在のところ、Office 2007に対応したバージョンを発売する予定はないという。「ユーザーは、Office 2003までの操作性に慣れていて、いまさら新しい操作を覚えたくないのではないか」と分析するからだ。

 2006年11月から公開したβ版は合計12万本のダウンロードがあった。β版公開中に寄せられた意見を元に正式版では、作成文書中の一部を右クリックしてウェブ検索を選択すると、Yahoo!JAPANの検索サイトにジャンプする独自の「Web検索機能」や、左右に文書を並べて同時にスクロールする機能などを追加した。

 製品ラインアップは、ワープロ「Kingsoft Writer」、表計算「Kingsoft Spreadsheets」、プレゼンテーションソフト「Kingsoft Presentation」がセットになった「Kingsoft Office 2007 Standard」(4980円)、Writer、Spreadsheetsの2つをセットにした「Kingsoft Office 2007 Personal」(3480円)のほか、それぞれ単品(1980円)での販売も行う。パッケージ版は3月23日に販売を開始する。なお、β版を利用している場合、自動的に90日間無料で利用できる製品版の試用バージョンにアップデートされる。

広沢社長
パッケージ版

 広沢社長は「一般の事務職ならこれで十分」と胸を張る。「会社ではマイクロソフトのOfficeを使っているが、自宅ではOfficeをインストールしていないユーザーは少なくない。特にPowerPointがないユーザーや、Officeソフトでマクロなどを駆使せずライトにしか使わない法人がターゲットだ。個人ユーザーは冷やかしでもいいので、まず試してみてほしい」。目標販売数は10万本だという。

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