オンラインの翻訳サービスではできないことをソフトで解決

英語のWebサイトの閲覧にオンライン翻訳サービスは便利だが、もうちょっと使いやすくなってほしいと思うときもある。そんな時には、思い切って翻訳ソフトを購入するのも手だ。

» 2007年01月12日 15時12分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 英語のサイトをオンラインサービスで翻訳してみると、なんとなく違和感のある翻訳になる時がある。「この翻訳の結果はおかしい」「学習機能をつけてほしい」「辞書登録したい」といった悩みが多い場合、翻訳ソフトの導入を検討する価値がある。

Yahoo!や楽天と同じ翻訳エンジン+独自機能

 クロスランゲージが2月9日に発売する英日・日英翻訳ソフト「明解翻訳」シリーズは、価格が3000円からと手ごろで翻訳ソフト入門に適したソフトだ。Yahoo!翻訳、楽天Infoseekマルチ翻訳など大手ポータルの翻訳サービスが採用している英日・日英翻訳エンジンと同じエンジンを搭載している。さらに、オンラインのサービスでは利用できない、翻訳結果の訳語を変更する機能や、変更した訳語を自動的に学習する機能、ユーザー辞書登録機能を備えている。

訳文の単語をダブルクリックすると、別訳の単語リストを一覧表示する(画面は開発中のもの)

 また、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPoint(いずれも2000/2002/2003/2007)のファイルから翻訳もできる。このほかInternet Explorer 6.0/7.0で表示したWebサイトや、Outlook Express 6.0で作成・送受信したメールの翻訳も可能。また、ファイルを連続して翻訳する機能、英文音声読み上げ機能なども利用できる。さらに、一部タイトルにはPDFファイルの翻訳機能を搭載した。

 明解翻訳シリーズは、235万語を収録した標準版「明解翻訳 スタンダード」(3129円)、ビジネス系とコンピュータ関連の専門語辞書を搭載した261万語収録の「明解翻訳 ビジネス&IT」(5229円)、ビジネス/科学技術関連の専門語辞書を搭載した335万語収録の「明解翻訳 プロフェッショナル」(7329円)の3ラインアップを用意。Windows XPのほかWindows Vistaにも対応した。

 なお、PDFファイルの翻訳機能は、明解翻訳ビジネス&IT版とプロフェッショナル版に搭載している。PDF翻訳機能を利用するにはAdobe Readerのインストールが必要だが、「オリジナルPDFファイルのレイアウトを保った英日・日英翻訳は国内ソフトで初めて」(クロスランゲージ)だという。対応バージョンはAcrobat Reader 5〜6、 Adobe Reader 7〜8、Acrobat 5〜8。

三面エディタが特徴の「翻訳ピカイチ2007」

 明解翻訳シリーズよりも若干高いが、さらに機能を充実させたのが「翻訳ピカイチ」シリーズだ。こちらもクロスランゲージが開発したが、発売はアスキーソリューションズ。1月12日に、「翻訳ピカイチ2007 スタンダード for Windows」(9240円)と「翻訳ピカイチ2007 プロフェッショナル for Windows」(1万7640円)が発売された。Windows 2000/XPに加え、Windows Vistaにも対応する。

 一番の特徴は、三面並列表示インタフェース「三面エディタ」だ。例えば、日本語を翻訳して英語にする際、3ペインの左に翻訳元の日本語、中央に翻訳後の英語、右側に翻訳後の英語を“再翻訳”した日本語を表示する。こうすることで、不自然な翻訳をチェックできるという。

日−英−日の翻訳を三面エディタで確認

 翻訳ピカイチ2007では、日英・英日翻訳に加えて、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の欧州5言語のマルチリンガル翻訳を実現した。一般に、日本語からドイツ語など英語以外の言語に翻訳する場合、日本語からいったん英語に翻訳し、それを別の言語に翻訳する。翻訳ピカイチ2007では三面エディタを利用し、中間で翻訳する英語も表示する。元の日本語からどのような英語翻訳を経て、そのほかの欧州言語に翻訳されたのかがわかる――というわけだ。

欧州語−英語−日本語の三面エディタ

 このほか、明解翻訳シリーズと同様にWebサイトやOfficeファイル、PDFファイルを翻訳する機能を搭載した。翻訳辞書の語彙数は、スタンダード版が415万語、プロフェッショナル版515万語。さらに両バージョンで「日外科学技術専門語辞書」の180万語を搭載したほか、プロフェッショナル版ではさらに「20分野パーソナル専門語辞書」100万語を追加した。

Officeファイルの翻訳機能

 なお、翻訳ピカイチ2007には、テキストをドラッグすると翻訳してくれる「ロボワード for トランサー」と、紙の原稿を翻訳するためのOCRソフト「CROSS OCR V2 JE」を同梱しているが、Windows Vistaには対応していない。Vista向けには両アプリケーションの対応完了後、無償でダウンロード提供する予定だ。

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